エルダー活躍先進事例集 平成27年度版
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BFACDEGHIJKLMNOPQRSTH運輸業,郵便業高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行ってきた改善や工夫改善区分課 題検討状況・改善内容① 制度面慢性的な乗務員不足であり、高齢者の経験と知識を限りなく長く活かせる職場づくりが必要であった。制度面では定年60歳、希望者全員65歳、一定条件の下70歳まで勤務延長としているが、70歳以上の雇用拡大の整備が必要であった。制度面では定年60歳、希望者全員70歳までとした。70歳以上の一定条件下での勤務延長も検討したが、高齢者の体力・視力の衰え等に起因する事故リスクの壁があり、70歳以上は制度はないが運用で本人が希望し健康状態に問題がなければ80歳まで雇用している。② 能力開発高齢によるタクシー勤務が困難になった場合の対応策がなかった。大型二種免許を養成し、貸切バスや乗合バスにて勤務できるようにした。バス乗務者には、短時間勤務や職務的に軽減した勤務ができる職場づくりを整備した。③ 環境改善業務日報の作成(記入)は、夜は見えにくく書きづらく、また終了後の計算も高齢乗務員にとっては疲労によるミスが多かった。タクシー全車に自動日報を導入し、乗務員が記入することがほとんどなくかった。自動日報の導入により、乗務員は勤務中はもちろん、終了時も確実なデータのもと、納金して帰社できるようになり、特に高齢者にとっては大きな作業負担の軽減となった。④ 健康管理・安全衛生高齢者の身体の衰えによる事故リスクが大きく、人手不足対応として高齢者を活用することへの大きな障害となっている。高齢者向けに事故防止講習会を年度計画の中で実施し受講させている。この講習には外部講師(専門家)を招き、ドライブレコーダーを活用した事故防止や動体視力、睡眠など、あらゆる角度から教育を実施している。⑤ 新職場、 職務の創出一人の乗務員が何台もタクシーを稼動させることがあり、その度に車輌清掃をしなくてはならないため、乗務員への負担が多く、特に高齢者にとっては肉体的・精神的にもきつく、退職の理由ともなっていた。車輌洗車専門のスタッフを雇用し、乗務員が清掃をしなくてもよい環境をつくり、運転業務に専念できるようにした。洗車専門スタッフを新たな部署として構築し、運転ができなくなった高齢者でもできる軽作業的な職場とした。乗務員を辞めて洗車アルバイトをする者もいる。27-95
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