エルダー活躍先進事例集 平成27年度版
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BFACDEGHIJKLMNOPQRSTP医療,福祉高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行ってきた改善や工夫改善区分課  題検討状況・改善内容① 制度面以前は、定年で辞める職員が多く、継続雇用者も定年後の給与の削減や処遇の低下等により、腰掛け仕事の意識が強く表れていた。このことが若年者や中堅職員にも少なからず影響し、医療現場にあってはならないヒヤリ・ハットにつながっていた。健康で意欲があれば65歳以降も雇用期間の定めのない者として年齢の上限なく継続雇用することを就業規則に明文化し、高齢職員のニーズに応じた多様な就業形態等を導入した。また、評価基準を整備し、継続雇用者にも賞与・昇給を実施するなど処遇に反映した結果、病院全体のモチベーションが向上した。② 能力開発● 当院の業務はチームワークが大切だが、高齢になると能力・体力面でチームワークを保てなくなる者がでてくる。また、中途入職者は当院業務に馴染んでいないため、チームワークを保つのが難しいこともあった。● 病院の業務は資格を必要とするものが多く、働きながら資格を取得しなければならないため、業務への影響が懸念される状況があった。● 常日頃の仕事の状況や契約更新時の面談等により、本人の希望も考慮して新しい職務・職場への移動も可能にし、経験豊かな高齢者と若年者のペア就労やチーム編成方式で業務を行うようにし、ベテランのスタッフが指導を行うようにした。● 資格取得等については必要な外部研修費用等を病院で負担し、取得後は資格手当を付与し資格取得を奨励している。③ 環境改善● 当院は、温かい入院生活作りに努めているため、着替え類や食事用具など日常必需品の準備と世話の一切を行っている。しかし、高齢職員は、体力面で個人差が大きくなり、チームワークを保てなくなる場合があり、能率や注意力の低下を招き、安全面にも問題が生じる状況となっていた。● 患者の病変等の集中監視ができる設備が整備されていないため、特に高齢看護師の体力面での大きな負担になっていた。● 透析室では、透析監視装置の操作やプライミング、また、透析中には、透析装置は、さまざまな警報が発生するなど、看護業務が忙しく快適な医療活動とより良い看護を提供することはむずかしい状況にあった。● 当院の利用者も年々高齢化し、車いす利用の患者も増えてきている。車いす利用者の送迎は、高齢職員だけでなく職員の大きな負担となっていた。● 高齢職員の経験やノウハウ、知恵を引き出し、チーム全体としての効率アップのため、紙おむつを導入し夜間おむつ交換ゼロを目指した結果、夜間介護が省力化でき、高齢職員だけでなく、職員全体の負担軽減となり、夜間介護が非常に楽になったと喜ばれている。● 高機能の集中モニターを導入したことにより、病変等を集中監視できるようになり、看護師の体力面での負担軽減となった。● 透析情報管理システムを導入し、省力化を図ることで、より安全に患者さん一人ひとりに合わせた処置・治療に専念でき、ヒューマンエラーの軽滅と透析クオリティーの向上が図られた。● 送迎車両を車いす搭載仕様車に更新し、利用者の利便性向上と、職員の体力的負担軽減を図った。特に、高齢職員には好評である。④ 未解決の課題、うまくいかなかったこと超高齢者でかつ難病の患者が増加しつつあり、週3回の入浴等、労働軽減化のため、省力化の特殊浴槽移動の自動化機械化を図っていきたい。介護ロボットの導入について検討している。27-11

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