エルダー活躍先進事例集 平成27年度版
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BFACDEGHIJKLMNOPQRSTRサービス業(他に分類されないもの)高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行ってきた改善や工夫改善区分課 題検討状況・改善内容① 制度面長年在籍している高齢者を体調不良や老化により退職させるのではなく、それぞれのライフスタイルにあわせて働き続けられる環境を整え、安全で高齢まで働ける会社をつくる定年を65歳から70歳に引上げ、定年を超えた者でも働く意思があり健康上、問題がなければ年齢の制限なく就労できるように改正した。これにともない、高齢者の体力的な問題や体調不良の声が増えることを予想し、ワーク・ライフ・バランスに応じられる弾力的な雇用制度として短日数勤務制度を導入し、定年後も継続して就労できるようにした。② 能力開発長く働いてもらうためには、警備業務を行うに当たって必要な知識の他に、関連業務の知識、職種変更しても働き続けることが出来るような知識・資格の取得が必要警備業に関しては、新任研修、年2回の法定現任教育をはじめOJTによる知識・技術指導の実施。その他として、建設・土木分野の社員には災害予防と対策を検討するRST教育を、職種変更に対応するためにクレーン・玉掛・施工管理者などの資格取得を支援している。また、障害者への対応を念頭にサービス介助士の資格保有者も増やし、社員全員「目くばり・気くばり・心くばり」をモットーに、有資格者集団を目指している。③ 環境改善屋外交通誘導警備では、作業場所によってはトイレがなくコンビニ等で借りていたが雨天時などは汚れた靴で入り、キレイな店舗を汚してしまうこともあり、作業員には身体的・精神的ストレスになっていた。屋外作業では、夏の炎天下での熱中症予防や冬季、夜間での安全・衛生対策が必要である。容易に設置できるトイレと休憩所を兼ね備えたバイオトイレカーを研究開発し、作業員の身体的・精神的ストレスを解消した。熱中症対策としては、通気性のある脇ネット付作業服を導入し、冬季の防寒着にはオレンジ色のジャンパー着用を、安全長靴には大き目の反射板付に改善し、目立つようにした。夜間・雨天の場合はそれを着用するよう義務付け、併せて作業員のヒヤリ・ハットの予防策も図った。④ 健康管理・安全衛生高齢者を体調不良や老化により退職させるのでなくライフスタイルにあわせ働き続けることが出来る環境の確立上記③に記載したほかに、若中年層と高齢者とがともに働くことにより、お互いの意思疎通が良くなり、お互いに支えあうようになりモチベーションが向上した。50人以下の事業所だが、産業医を選任し日頃から従業員の健康管理・安全衛生に配慮している。警備業は法律的には責任のない業務が多いが、責任感を持って仕事をし、当たり前のことが当たり前にできる(子供、障害者、高齢者への気配りと支援)従業員が育つよう心掛けている。⑤ 新職場、 職務の創出超高齢化社会を迎えるに当たり、高齢者の雇用創出の場としての警備業に行き詰まりを感じていた。企業の社会的責任としての地域貢献への仕組みづくり超高齢化社会を迎えるに当たり、雇用の場の創生として建設業に進出(建設業許可の取得)し、ハイブリット警備として事業を拡大。建設業における保安機材の設置・撤去、工事現場の散水業務等の軽作業に高齢者が従事。地域貢献として、福祉バイオトイレカーを活用し、障害者や高齢者の野外イベントにおいてトイレ支援活動を実施。高齢者の作業内容としては、トイレ清掃やトイレカー周辺での安全確保役として活躍している。⑥ 未解決の課題、うまくいかなかったこと警備業の業務は天気、気候に左右されることが多々あるため、従業員は安定した収入が得にくい。資格取得により警備業務以外でも働ける環境を整える。27-43
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