エルダー活躍先進事例集2016年版
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運輸業,郵便業BFACDEGHIJKLMNOPQSTR高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行った改善や工夫改善区分課 題検討状況・改善内容① 制度面平成21年、創業に当たり、定年65歳。その後、条件付きで70歳までの継続雇用制を就業規則に謳っていた。しかし実態は70歳以上、最高80歳のドライバーもおり、働く意思がある限り働ける状態にあった。①定年を廃止し、年齢に関係なく働き続けられるように、就業規則を改正することにした。なお、ドライバーとしての安全確保のために、定年の廃止以降は、NASVA((独)自動車事故対策機構)の適性検査を定期的に受講することにした。更に、ドライバー達が介護ドライバーとしてきめ細かな対応ができるように、ヘルパー資格取得を奨励し、資格取得者には、新たに、資格手当を就業規則に明記することにしている。②定年廃止に基づき、従来の経営理念の見直しを行い、経営方針の見える化を図る工夫をした。② 能力開発新規創業以来、年4回の交通安全教育を行ってきたが、その内容は、外部講師による安全運転に関するもの、及び社長による、経営理念に関する講話であった。左記の安全運転に関する教育に加え、平成28年より、高齢者向けに「高嶺者意識向上自己戦略セミナー」を毎年実施することにした。セミナーの内容は、高嶺ドライバー自身に、自分の残された人生を自分の手で再設計し、自分の賞味期限を自らの意思で伸ばそうとする意識を持ってもらおうとするものである。今後、毎年実施していくことにしている。③ 健康管理・ 安全衛生、 その他健康管理面では、これまで年2回の法定検診を受診することとし、産業医による検査指導を行っている。また、異常が指摘された者に対しては、精密検査の受診を促し、これまで、数人が癌の診断を受けたが、幸い早期治療により、現在も現役ドライバーとして活躍している。また安全衛生管理面では、既に、車両のオートマ化(ほぼ100%)や、ハイブリット車へのバックモニターの取り付け等を実施し、高齢ドライバーの負担を軽減する等の対応を図ってきた。今後、特に法定検診後の精密検診については、会社負担として、対象者全員が受診することにして、健康管理面をさらに徹底していく。また、今年初めて実施した高嶺者意識向上自己戦略セミナーと関連させて健康管理の問題(賞味期限を伸ばす)を考えていくことにしている。④ 新職場、 職務の創出平成25年より介護事業に参入し、介護事業とタクシー事業の互恵関係を深めていく工夫をしている。つまり、タクシー事業所内に、介護部門(指定訪問介護)を設置し、高嶺ドライバーと新規に採用した介護ヘルパー社員との関わりを通して、高嶺ドライバーの意識や組織風土の変革を狙ってきた。平成28年より、「地域生活支援2010構想」を掲げ、4年後の2020年を目途に、長崎市と連携して、現在の事務所敷地内に12階建てビルを建築し、高齢化する当地域の買い物弱者支援や医療介護支援の拠点にしたいと考えている。この構想実現により、地域の高齢者や、買い物弱者並びに要介護者とタクシー事業との互恵関係を深め、高嶺ドライバーの活躍領域が大きく広がることを狙っている。なお、この自社ビルの中に、社員用食堂やシャワールーム等も設置して、社員に対する福祉環境の整備にもつなげたいと考えている。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-99
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