エルダー活躍先進事例集2016年版
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医療,福祉BFACDEGHIJKLMNOPQSTR高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行った改善や工夫改善区分課 題検討状況・改善内容① 制度面以前より60歳以下の職員を対象として職場のコミュニケーションを図る目的で上司と面談制度を設けていた。しかし、平成24年に定年後の再雇用職員から「上司との話す機会を設けて欲しい」、「私たちも面談をしてもらいたい」との要望があった。職場の管理者からも、職場の一員として、長く働いていくために上司とじっくり話できる場が必要だとの声もあった。今回の要望を受け、管理部門で高齢職員が長く働けるための雇用促進に向けた制度の検討を開始。その結果、65歳までの高齢職員を対象に年1回のコミュニケーションシートの記入と上司との面談を行うことにした。シートには、高齢職員自身の声を率直に受け留めるため、「職場配置の希望」、「仕事面での提案・要望」、「悩み、相談」等の項目を記載してもらう。直属上司との面談では、仕事面だけでなく仕事以外の悩み・健康面などの相談も行えるよう、個人のプライバシーに配慮し、時間や場所の設定を行っている。② 能力開発各種資格の取得が仕事をおこなうための必要な要件である。高齢者であっても、資格取得者に資格取得奨励金及び、資格手当を支給している。③ 環境改善昭和26年に建設した施設は建物内に段差が多く、バリアフリー化への必要に迫られた。全施設を改築しバリアフリー化するとともに、車いす用トイレ、介護業務の負担軽減や腰痛対策のための昇降機能付浴槽・ストレッチャーを導入した。④ 健康管理・ 安全衛生、 その他高齢者や若年者、男性女性を問わず簡単に出来るスポーツが各職場で中々実施されていなかった。職員の福利厚生充実のため、レクリエーション活動として、平成26年から職員全員参加のミニバレー大会を開催している。各職場単位でチームを作りスポーツ大会を開催することで、職場内に一体感が生まれると共に、職場の活性化や職員のリフレッシュに繋がっている。⑤ 新職場、 職務の創出今まで以上に、高齢者の働きやすい職場を新規に創出していく必要があると考えていた。新規事業に高齢者を積極的に活用した。平成25年に開始した介護・福祉タクシー事業では、公共機関の運転手という経歴を持つ高齢者を採用した。利用者からは「年齢が近くて親しみやすい」、「会話も上手で安心して利用できる」と評判で、本人も笑顔でいきいきと働いている。平成26年には、障がい者と共に働く「カフェm・歩っ(えむほ)」をオープンし、調理経験豊富な高齢者を配置した。平成27年には、障がい者・高齢者に優しいバリアフリーの「いち押し工房」(パン等の製造)が完成し、現在、高齢職員が元気に働いている。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-103
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