エルダー活躍先進事例集2016年版
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宿泊業,飲食サービス業BFACDEGHIJKLMNOPQSTR高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行った改善や工夫改善区分課  題検討状況・改善内容① 制度面定年60歳、経過措置による継続雇用制度を就業規則上定めていたが、現状としては本人が希望する場合、選定基準に関わらず65歳まで継続雇用していた。長く勤務している社員ほど定年後も継続雇用を希望する者が多く、わが社としても長く働いて欲しいとの考えから改正高齢法施行前の平成23年に65歳までの希望者全員継続雇用へと就業規則の改定を行った。65歳を超えても本人が継続雇用を希望する場合には、運用で継続雇用を行っている(最高年齢は79歳)。勤務時間は本人の希望を確認し、調整を行っている。② 能力開発①[ペア就労]グループ全社でホテル清掃スタッフの中には若手社員や業務未経験者の者もおり、新人スタッフが業務に慣れるまでどのように育成するかが課題であった。②[語学研修]ホテルには多くの外国人が訪れるため、特に世界共通語である英語力の習得に力を入れ、社員の語学力アップを図ることが課題であった。①清掃スタッフにはベテラン高齢社員も多く、高齢社員と若手社員とのペアで業務を担当してもらっている。ベテラン高齢社員ほど、体に負担をかけず業務を遂行する方法を知っており、ベッドメイキングや清掃など、中腰で行うことの多い業務を腰痛予防の観点から若手社員や未経験社員に対して指導を行う役割を果たしている。・他にもペア就労の効果として、コミュニケーションの苦手な若手社員が、仕事も人生も経験豊富なベテラン高齢社員と一緒に業務を行うことで、安心感を得られるのか離職率が低下傾向にある。・重い荷物を運ぶのは若手社員が担当するなど、高齢社員と若手社員のペア就労は、お互いにできることを補い合うことで良好な関係を築いている。②TOEICスコアアップを目標に英語研修を開催した。参加者は若手正社員がほとんどだったが、参加は雇用形態に関わらず参加が可能。③ 環境改善①[レストラン内配膳業務、動線の改善]配膳は、若年者から高齢者と幅広い年代のスタッフが業務を行っている。ホテルの食事(特に朝食)及び給付係の接待が、お客様の満足度に大きく影響することから配膳や食器の片づけを丁寧かつ迅速に行うために動線を工夫するなどの必要があった。②[送迎車導入]遠方(恩納村)にあるホテルの客室清掃業務を担当する社員の中には、運転免許や車を持っておらず、仕事にはやりがいを感じているものの、通勤に不便を感じ退社する者も多かった。①お客様をお待たせせず一度にたくさんの食器を運べるように、テーブル間のスペースを広くして、給付スタッフが配膳しやすいように改善を行った。高齢社員が重い食器を運ぶ負担を減らすためにカートを使うようにし、改善後は配膳や食器の片づけがスムーズに行えるようになった。カート導入で70歳の高齢社員がレストランホールで若年社員と変わらず配膳業務を行っている。 また、改善後は、繁忙時間の社員の精神的なストレスが減り、気持ちにも余裕ができて現場の雰囲気が良くなった。お客様にもより良いサービスの提供ができるようになった。②社員の送迎を開始。名護ー金武ーうるま市とホテルを巡回するルートで清掃業務スタッフの送迎を行った。現在清掃業務に従事する高齢社員のほとんどが送迎車を利用しており、送迎車の導入を始めたことで通勤を理由に退職する者が減った。会社が働きやすいように考えてくれていることが社員にも伝わり、会社の一員として大切にされているのだとモチベーション維持にもつながっているようだ。社員の送迎業務は高齢社員(50代)が担っている。④ 健康管理・  安全衛生、  その他健康経営という観点から高齢社員を含め全社員の健康管理体制について、体及び心について労使ともに健康意識を高める必要がある。[健康管理]・県が企画する「健康づくり支援事業」に応募し、助成金を活用して自転車を18台購入。市内の移動は車だけではなく自転車で移動することを推奨している。社員からは「気分転換と運動不足解消ができる」との声が上がっている。・「心の健康」については外部講師を招き、研修会を開催。希望する者は、社員であれば誰でも参加できる。[安全衛生]・お客様及び社員が転倒しないようホテル玄関の大理石に滑り止めをした。・休憩室完備…疲れたらいつでも休めるようにしている。・腰痛防止セミナーの開催2016年版 エルダー活躍先進事例集28-111

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