エルダー活躍先進事例集2016年版
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サービス業(他に分類されないもの)BFACDEGHIJKLMNOPQSTR高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行った改善や工夫検討状況・改善内容課 題改善区分① 制度面◦継続雇用環境の整備。従来は、◦定年60歳、希望者全員65歳まで継続雇用という内容であった。これを、◦定年65歳という制度に改めた。なお、運用実態は、本人が希望する場合は、健康であれば年齢制限なく継続雇用されているところであり、今後もこの方針に変わりはない。なお、高齢になっても教育研修をきちんと行えば、技術、技能、能力等の衰えはないものという考え方に基づき、65歳以降退職時までの給与等を含めた待遇面については、65歳定年時と変わりはない。② 能力開発◦人手不足に悩まされている。◦技術、技能、ノウハウの伝承の仕組みづくり。◦高齢者の多能工化を実現し、人手不足に対処する目的で、一人ひとり人の職業能力向上への取り組みを強化した。具体的には、「現任者研修」を毎月開催。 なお、研修の際には現場での実際の作業状況などをビデオカメラにて撮影したものを利用し、臨場感をもって教育できるように工夫した。◦「レベルアップ研修」を年3回程度開催し、技能、安全、礼儀作法などの項目についてのコンテストなども実施した。研修では熟練技能者などの仕事ぶりに感嘆する声が聞こえるとともに、発表の場が高齢者の自己表現の場となり新たな能力の発見とともに、高齢者のモチベーションの高まりをもたらしている。◦高齢者の持っている高い能力、技術がその人の退職によって失われてしまうということに、従前から懸念があった。その技術、技能を確実に次世代に伝承していくために、高齢者と若手社員を組み合わせた人員の配置を行うようにしている。◦さらに、職場単位のミーティングの機会を増やし、高齢者と若手社員のコミュニケーションの強化にも努めている。③ 環境改善◦転落、転倒等の事故防止対策。◦ガラス磨き、壁面洗浄、天井清掃等脚立などを使って行っていた作業を伸縮タイプの用具を導入することにより、転落、転倒等が起きないように改善した。◦床面洗浄をモップ等の手作業によるものを少なくし、ポリッシャー等機械による作業に切り替えた。 これにより作業のスピードが格段に向上し、身体的負担も軽減された。④ 健康管理・ 安全衛生・ その他◦高齢者の健康の維持増進。◦個人の体力の差は年齢が上がるほど大きくなるため、健康を害しての機会の損失を防ぐために、平成25年10月から平成26年11月にかけて「メンタルヘルス」のプロジェクトチームを結成し取り組んだ。◦相談窓口が男女別々にできた安心感、健康増進に対する会社を挙げての取り組みによる従業員の健康に対する意識の高まりが見られた。◦また、体の不調を従業員自ら申告する姿勢も強まり、従業員の健康状態が目に見えるようになった。⑤ 新職場、 職務の創出◦高齢者の職務開発。◦高年齢者の職務を開発しようと、「施設管理業務」を増やそうとしている。(例えばダム施設管理業務、放送施設管理業務)⑥ 未解決の課題、うまくいかなかったこと◦健康面における「就労可能判定」の基準づくり。◦健康面における、「就労可能の判定」をどう行えば、従業員も、その家族も、会社も安心して雇用の継続を続けていけるのかについての仕組み作りができないかに取り組んでいる。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-7
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