エルダー活躍先進事例集2016年版
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卸売業,小売業BFACDEGHIJKLMNOPQSTR高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行った改善や工夫検討状況・改善内容課  題改善区分① 制度面60歳以上の高齢者が半数を占め、生活設計を考える時、安定して少しでも長く働きたいという従業員の要望が強くあった。従業員の要望に応え、平成23年12月から、定年65歳・希望者全員70歳まで再雇用すると改定すると共に、70歳以降も運用で年齢の上限なく働けることとした。また、製造部門の出勤時間は10通り、移動販売部門は「自由勤務制」を導入し、本人の希望日・勤務時間を、自分で決めることができるとした。② 能力開発移動販売の「販売ポイント」、「ノウハウ」が的確に伝承できず、教育のベースとなる資料がなく、個人の指導力に頼るため、指導者によって教育効果に差がでてきた。「経営理念・戦略」、「販売促進計画」、「売れる店(車)づくり」、「販売マニュアル」の作成、見直しを行った。◦販売マニュアルは文字を拡大し、イラストを入れた。◦ルート営業の地図の作成・活用。◦シニアブラザー制度の新設。(シニアブラザーとは、製造は熟練技能者・販売は店長が担当し、技術・技能、販売ノウハウ、安全衛生・マナー・エチケットの教育をすること)③ 環境改善【豆腐製造部門】◦深夜勤務、きつい手作業、手運搬、中腰作業による、身体的負担の解消が必要となっていた。◦工場内の照度が足らず、高齢者にとって、「暗い」と感じていた。【移動販売部門】◦燃費のよいマニュアル車を使用しているが、オートマチック車に慣れた人は、ギアチェンジに気を取られてしまい、思わぬ事故を起こしそうになった事があった。◦移動販売車の照明の照度が足りず、伝票の読み間違いがあった。【全社活動】◦安全衛生管理、健康管理には取り組んでいたが、組織的に対応はしていなかった。【豆腐製造部門】◦豆腐製造を順次機械化することによって、現在では指一本で、前日浸した生の大豆がすりつぶされ、加熱されて、豆乳とおからになって出てくる。深夜作業は若干残ってはいるが、手作業・手運搬・中腰作業からは解消され、身体的負担が大幅に解消された。◦工場内の照明をLEDに替えるとともに水銀灯を設置したことによって、明るい職場となった。【移動販売部門】◦50台ある移動販売車を全車、マニュアル車からオートマチック車に買い替えた。オートマ車にしたことで、ギアに気を取られることなく、大きな事故は起こしていない。運転の注意喚起として、事故発生率の高い、走り始めの30分と店に到着間近の30分は特に注意するよう、「30:30注意」の呼びかけと全車両にステッカーを貼付した。◦移動販売車の照明を蛍光灯からLEDに替えたことで、大変明るくなり、伝票の読み間違いが大幅に減少した。【全社活動】◦安全衛生委員会を編成し、安全衛生年間計画を作成することで、各部門の問題点・対策が明確になった。◦「その仕事80歳までできますか?」をスローガンに掲げることで、体力づくりなど自助努力の必要性を認識するようになった。④ 健康管理・  安全衛生・  その他⑤ 新職場、  職務の創出高齢者向きの仕事の範囲が限定されており、体力が低下した高齢者のローテーション先があまりなかった。豆腐製造の機械化が進んだことで、体力が衰えた高齢者のローテーションが可能となった。また、移動販売車は昼間の勤務であり、自由勤務も選択できることから、製造部門から移動販売部門への異動も可能とした。⑥ 未解決の課題、うまくいかなかったこと【豆腐製造部門】◦倉庫に保管されている30kgの大豆20~30袋を台車に乗せて、25~30m離れた製造現場まで運ぶ作業は、腰への負担となり、危険性がある。【移動販売部門】◦計算ミスや、つり銭等のトラブルがある。【豆腐製造部門】◦倉庫の移動は、費用がかかり過ぎるため、簡易倉庫の設置など、格安で安全な方法を全員で考えることとした。【移動販売部門】◦移動販売車への端末機器の設置を考えたい。バーコードで入力し、レシートも発行されるので、計算ミスや、つり銭のトラブルが解消される。また、その場で注文もできるので、帰社後の確認作業も不要となる。さらにデータ分析も可能となり、売れ筋商品の把握が容易となる。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-11

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