エルダー活躍先進事例集2016年版
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医療,福祉BFACDEGHIJKLMNOPQSTR改善等写真企業の声高齢者雇用のメリット・他社へのアドバイス冨岡 久美子さん施設長中川 潤一さん代表取締役 高齢の従業員は豊富な生活・職業体験から介護や調理においても高い潜在能力を有しているものの、介護現場という新しい職務に適応するには時間が掛かり、そのため、「管理者のマネジメントがうまく働かないと高齢者の潜在力を十分に引き出すことが出来ない。」という問題点を抱えています。また高齢者は、子育てや親の介護を終えた後も生涯に亘って高い就業意欲を有している者が少なくありません。しかし、体力や本人の主義・嗜好、生活環境等の制約からフルタイム勤務は難しく、また、専門性は高いものの働ける分野は限られたものにならざるを得ないといった特性があります。そこで、当社では24時間気の抜けない介護体制の中で高齢者が活躍できる場と時間を適切に位置付けると共に、残る(高齢者が従事する以外の)部分を若年者など他のスタッフ(職員)が補うための「全社的な運営理念」と「連携の仕組み」を構築することを心掛けました。管理者(ホーム長・ホーム長補佐・介護リーダー)には絶えず「従業員のやる気を引き出す」ことを求め、能力に応じた仕事配分で無理の無いよう「全体で支え合う」体制を作っています。例えば、仕事が一人に集中しないよう仕事の範囲が緩やかに重なっていて(一つの仕事を2人で受け持つなど)いつでも担当を替われるように重複させています。女性の生活環境には(結婚・育児・介護など)波があるからであり、後継者育成の狙いもあるからです。またそのことによって、多少の齟齬が生じても“それとなく気遣う人間関係”を構築・維持することも管理者の役割であると言っています。人前で部下を叱ったり注意したりすることは厳禁とし、評価はしてもそれを数値化することはさせないようにしています。人を評価してもデメリットの方が大きいと感じているからです。独立していた厨房を対面式のオープン・キッチンに改造し、利用者と会話を楽しみながら調理できるようにした。新人職員や、中堅職員への研修も実施し、特にコミュニケーションや接遇など介護の専門に留まらない社会人として身につけるべき内容にしている。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-32
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