エルダー活躍先進事例集2016年版
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医療,福祉BFACDEGHIJKLMNOPQSTR高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行った改善や工夫検討状況・改善内容課  題改善区分① 制度面◦以前は、定年後の雇用体制が確立されていなかったため、定年を迎える職員の中には将来に対する不安を感じ、モチベーションを維持するのがむずかしい人がいた。◦高齢法改正に則り、希望者全員65歳までの継続雇用制度を制定。◦65歳以降本人が希望し法人が認めた場合、70歳まで継続雇用とする。(70歳まで働ける企業)◦更に70歳以降本人が希望し法人が認めた場合、年齢の上限を定めず継続雇用とする。(生涯現役企業)◦同一職務を行う職員に対しては、定年後の継続70歳までの給与は定年前と同賃金とした。◦70歳以上の継続雇用者は原則パートとし、無理なく働き続ける様、短時間勤務等勤務形態を選べるようにした。② 能力開発◦定年後の継続雇用者の中には、自分は現役ではないと、与えられた業務をこなすだけの人がいた。◦事業内研修も、ただ参加だけをして積極的でない人がいた。◦定年後の勤務体系を確立したことで、ベテラン職員が新人の指導、アドバイザー的役割をすることにより統一した育成が出来るようになった。◦高齢職員本人も積極的に研修に参加し、自身の向上に努め、若手にも培った技術、知識を伝承している。◦高齢者が積極的に若手を指導することにより、チームワークが強くなり、熟練高齢者の接遇がまさに若手の手本となっている。③ 環境改善◦介護業務においては、体力が必要で入所者の移乗等で腰、その他の身体に負担をかけていた。◦ゆっくり休める休憩室が無い職場もあり、オンオフの気持ちの切替がしづらかった。◦介護業務の体力的負荷軽減のため移乗用のリフト、電動ベッドの導入及び入浴時の機械浴槽の各階設置、更に、介護ロボット導入申請を行う等、介護負担軽減を図れるよう取り組んでいる。 ◦男子ロッカー室を新設、各休憩室にも畳を敷きくつろげるスペースを確保し、休憩時に新人がベテランの人生経験の話を聞くことは、職員全体のチームワーク向上に繋がる。◦高齢者が働き易いよう採光改善及び省エネのため、照明のLED化を推進する。  ④ 健康管理・  安全衛生・  その他◦過去においては自身の健康管理に不安があり定年を機に退職する職員がいた。◦将来的に家族の介護などで不安を抱く職員がいた。◦高齢者が安心して働き続けられるよう、健康、メンタル面等を産業医がフォローするようにした。◦診療所併設の利点を生かし、日々の勤務中での体調不良時にも早目の診察をし、個々の健康管理を促している。◦インフルエンザ、肝炎予防等の接種を法人負担で実施している。◦個々の健康、家族の健康を含めそれぞれの家庭の事情に応じて、介護休暇等も取得しやすい環境にした。◦休職後の復帰プログラムを個々の事情により配慮することとした。⑤ 新職場、  職務の創出◦高齢者の中には、定年前までの業務が定年後もこなせるか、不安をもつ者が多かった。◦業務を一日の流れとしてでなく、職員個々の健康状態等に応じ、単一的に出来るよう改善した。①介護業務の居室清掃をベテランスタッフの業務とすることで、こまかいところまで配慮がいきとどき、結果的に流れがスムーズになった。  ②調理業務において食器洗浄、仕込み等を専門に行う業務を分業化し、短時間勤務の雇用を創出した。③安全運転が求められるデイケアの送迎運転を、ベテランの高齢者とし、新たな雇用を創出した。⑥ 未解決の課題、うまくいかなかったこと◦定年後の働き方は人それぞれで同一業務、同一勤務を希望しない職員もいた。◦高齢者が働き易い環境にするため、今後も各職場で業務の洗い出しを行い、新たな仕事の創出が必要である。◦医療法人として、高齢者の健康面、精神面のサポートを、個々の事情に応じて今後も継続していく。◦高齢者との定期的な面談により「生涯現役」を目指す継続雇用について問題点をひとつひとつ話し合いをして解決していくこととした。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-35

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