エルダー活躍先進事例集2016年版
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製造業BFACDEGHIJKLMNOPQSTR改善等写真高齢者雇用のメリット・他社へのアドバイス企業の声 離職率が低く、勤続年数50年以上2名、40年以上7名、30年以上12名、現在、若手を含めても平均勤続年数22年と長いことが当社の特徴です。 これは、社内で常に生産ラインのカイゼン(人間の負荷を除く)活動を、作業者目線で行っている結果だと思っています。 「人間は必ずミスをするもの」を念頭に作業者がミスを犯しても、それを補完する仕組みを構築することが、高齢者の戦力化には有効と考えます。当社では、機械がミスを発見して流失を防ぐシステムを全ての社内製作の自動機に導入しました。 小さな負担も、やがては大きな負担に変わってくるので、なるべく現場の些細な負担を見つけ、現場の声を形にしてあげることが重要と考えます。本当に小さく些細な負担でも、無くすことにより作業者にとっては働きやすい環境になり、また、会社にとっては、そのようなアイデアや視点がノウハウとなって、次の生産ラインの開発に繋がっていくのです。 また、雇用面では、当社の場合には、会社側の方針で終身雇用を推奨しているので、自分自身のモチベーションがある限り働くことが出来ています。体力的な問題があっても、自分に合った様々な雇用形態を選択でき、心身共に自分に合ったペースで仕事を続けられる制度を構築することも、高齢者の戦力化には、重要と考えます。林 武宏さん代表取締役社長1度に6本のネジを自動供給し、同時に締め付け、また閉め忘れや既定トルクに達しているかのチェックができる自動機械。作業者は、製品をセットするだけで、製作ができる。万一、ネジに不具合があった場合には、音声で作業者に伝え、また製品が取り出せないようロックされる。6個のネジをドライバーで1本ずつ締める従来の方法と比較すると、工程の短縮に加え、ネジの締め忘れや均一なトルクで締めることが可能となるので、人間にとって負担となる「ジャッジ」が軽減され、高齢者も安全かつ確実に使用できる。自然な動作で作業者に負担がかからず機械を操作できるようにするため、従来の押しボタン式からセンサー(赤丸印の箇所)に変更した。センサーは、作業者が手を引いたときに作動するようにしてあり、作業者は製品をセットする動作だけで、機械を動かすことができる。また、不具合があったときには、手を出すとセンサーが作動して機械を全部停止することができるので、安全も確保された。作業を継続することにより蓄積される作業者の負担をとり除くことができた。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-40

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