エルダー活躍先進事例集2016年版
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サービス業(他に分類されないもの)BFACDEGHIJKLMNOPQSTR高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行った改善や工夫改善区分課  題検討状況・改善内容① 制度面◆「定年満60歳、定年後は満65歳まで希望者全員を再雇用し、再雇用者は満65歳になった誕生日の属する給与計算期間の末日をもって退職とする制度」として運用していたが、従業員からは66歳以降も長く安心して働き続けたいという声があった。 職場の活性化、業績向上のためにも、定年制度の改善が必要であると感じていた。◆現在では、「定年満60歳、定年後は健康で意欲があれば希望者全員を制限無く契約延長し、役職については定年後も継続する」形で運用している。 これにより、従業員が安心して働ける環境が整い、継続して就労する高齢者が増加したとともに、高齢者のこれまで培った技能、知識、経験を活かし業績向上に繋げている。② 能力開発◆同業他社が増加し、高齢化社会、若年層労働者の減少が一段と進行し、企業が求める人材の確保が年々厳しくなっている状況の中、業績向上のためには、如何にして高齢者を企業に採用されるように付加価値を付けるか、また、豊富な知識、技能、経験をもつ高齢者を活用して次世代の人材を育成するかが課題であった。◆「資格取得制度」を導入し、一定基準をクリアした従業員については年齢に上限なく、会社で費用負担して資格取得を推進する制度を設けた。 これにより、高齢者のスキルアップにつながり、就業できる現場の選択肢が拡大して、より良い条件の現場に就労できる可能性が広がった。◆豊富な技能、知識、経験をもつ高齢従業員による、「モノづくり研修」を定期的に実施し、モノづくり及びマネジメントの知識を教育訓練することで、次世代のリーダー、管理者候補者育成につなげている。③ 環境改善◆高齢者の加齢による体力面の低下から、疲労蓄積による業務効率・サービス低下、注意力低下による労災発生、モチベーションの低下、健康状態の悪化につながることが懸念された。◆雇用形態、勤務形態、役職等については、健康上、就業上特に問題がなければ定年前の条件を継続しているが、契約を延長する高齢者の希望に応じて柔軟に対応している。④ 健康管理・  安全衛生、  その他◆高齢者の加齢による体力面の低下から、疲労蓄積による業務効率・サービス低下、注意力低下による労災発生、モチベーションの低下、健康状態の悪化につながることが懸念された。◆「定時デー導入」により、特に働く意欲の高い高齢者が過重労働にならないように配慮した。◆福利厚生として、「インフルエンザ予防接種」を、高齢者含めた全従業員に対し、全額会社費用負担で実施し、重症化しやすい高齢者に対し、健康面の配慮をしている。◆モチベーション向上のために、福利厚生として、「慰安旅行」を年1回実施し、高齢従業員と若年層従業員の交流を深め、高齢者のモチベーション向上につなげている。⑤ 新職場、  職務の創出◆会社創設以来、個々の従業員の自主性、高いモチベーションに任せるスタイルで取り組んできたが、個々の能力により、品質・サービスのバラツキが生じ、コンプライアンスを遵守できない危険性があった。◆増加する他社との差別化を図るために、高い技能・知識に裏打ちされたより専門性のある部門設立、取組みが必要であった。◆新設部門:「コンプライアンス統括本部」設立 元大手新聞社OBの高齢者活用によるコンプライアンス統括本部新設により、法令チェック体制が整備され、個々の従業員任せの法令判断・違反リスクがなくなり、適正な業務運営が組織的に実現できた。◆新設部門:「モノづくりサポート室」設立 大手電機メーカーのOBの高齢者を活用し、それまでになかったモノづくりの視点で、弊社の全ての業務に係るマニュアル・規定・帳票類等を整備し、会社の基軸となる、「運営管理フロー」を確立した。 これにより、適正な業務運営・安定したサービスの提供・顧客満足につなげることができた。※上記2つの新設部門の設立により、「ISO9001/14001認証」及び「プライバシーマーク認証」取得の他、「製造請負適正事業者認定」及び「優良派遣事業者認定」を取得することができた。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-51

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