エルダー活躍先進事例集2016年版
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製造業BFACDEGHIJKLMNOPQSTR高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行った改善や工夫改善区分課 題検討状況・改善内容① 制度面60歳の定年を超えても、作業の流れを重視して同じ職場・勤務時間としていたため、定年時に退職する社員が多かった。折角育成した技能・技術も失われた。●高年齢者雇用アドバイザーの助言もあり、ワークシェアリングを検討した。生産の確保に不安があったが、社員の希望を出来るだけ受け入れた勤務とするため。個人面談を行なった結果可能となった。●再雇用を希望する社員も増えてきて、心配していた生産量もほぼ目標通り達成が出来た。② 能力開発高齢者が会社にとって戦力であるという社員の意識が低い。意識向上のための対応が不足している。●年齢にかかわりなく技能があれば戦力であるという評価方法を取り入れた。 「作業工程能力ランク一覧表」を作成、工程別・作業者別の目標を明記し、具体的な数値を表した。 (各ランク・各工程の難易度・能力ランク~5段階~を数値で示し、本人に会社が期待する役割を伝え、各人の1ランク上を目指す目標を明確にした。) ●平成28年6月より「先生と生徒」制度をスタート。 これは技能を有している社員を「先生」に任命し、新任の職場リーダーとサブリーダーを「生徒」とし、作業の効率アップとマネジメント能力向上をマンツーマンでサポートする仕組みのものである。その「先生」の中には高齢社員も含まれており、技能を伝承することでモチベーションアップにつながった。③ 環境改善効率のよい生産を行なうには、作業上「立ち仕事」の姿勢と「目視作業」は欠かせない。そのため、高齢者になると体力的に負担がかかる。働く意欲がある高齢者でも、現在の作業方法では退職する場合もある。作業内容としては、立ち仕事は変わらないが、作業を遂行していく上で、なるべく負担軽減を図るよう検討。①作業台の高さの調節②ボタン付きの自動機やプレス機の作業は機械の置台を調節③立ち仕事の工程で可能であれば座りミシンを検討している。 休憩室に畳コーナーを設置し、足が伸ばせ少しでも疲労回復出来るよう改善を検討。④ 健康管理・ 安全衛生、 その他法定健診、また希望者には婦人病のガン検査の受診を認めている。インフルエンザの予防接種は費用を一部負担し、会社で接種しているが、高齢者を戦力として活用するための健康づくりについての取組みは遅れている。 ●健康を意識するよう「健康の日」を設定。●始業前のラジオ体操、休憩後のスクワット体操を「会社全体」「職場単位」での実施を検討。●検討していた「健康手帳」「疲労回復体操の手引き」の配布を順次実施。●社外講師による研修(ハラスメント・メンタルヘルス・介護知識)●セミナー・新入社員の定着研修をさらに充実させる。●福利厚生面は、毎月の誕生会、年2回社内での食事会、社内ボーリング大会、社員旅行、忘年会や月1回10分程度の会社周辺の掃除等を社員の親睦団体が運営している。今後料理教室や中国語講座、スポーツ教室などの拡充も検討予定。⑤ 新職場、 職務の創出主力のスクールカッターシャツの縫製業では国内シェア約25%と高い専門性を保有している。製品は全部受注によるもので、アパレルと異なりオリジナルなものはない。高齢者も各作業工程を担当し、戦力として定年前の技能を活用している。しかし高齢者の体力の低下等で退職に至っていることがある。各工程には箱詰め、搬送等体力負担の少ない補助的業務があり、現在は作業工程(ライン)の社員が従事している。この業務の効率アップと高齢者の体力に配慮し(ワークシェアリングを含む)、仕事を集約して新たな職場を作ることも考えられる。新工場への移転計画中なのでそのタイミングで検討中。⑥ 未解決の課題、 うまくいかな かったこと社員の定着率が低く、技能者が中途退職する。定年後、定年退職した社員を再雇用する方法を実施した。フルタイムでなく、勤務時間・勤務日数は話し合いで決める。職場リーダーのマネジメント能力の向上に取り組んでいる。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-83
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