エルダー活躍先進事例集2016年版
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医療,福祉BFACDEGHIJKLMNOPQSTR高齢者が働きやすい職場づくりのためにこれまで行った改善や工夫改善区分課 題検討状況・改善内容①-1 制度面<定年制度の改善>定年を65歳と定め、特に必要と認められた者に限り嘱託職員として再雇用する制度であった。しかし、多くの職員が定年後も働き続けることを希望し、また施設側も若年層を中心とした新規職員の獲得が困難な状況の中、高齢職員を主戦力と位置づけており、定年を機に、その力を失うことは大いなる損失と考えていた。高齢職員の継続雇用を図るため、平成26年4月に「生涯現役で働ける環境づくり」を掲げ、まず、定年延長と継続雇用制度の拡充を図った。定年を70歳とし、特に必要と認められた者に限り、嘱託職員として再雇用することとした。また、71歳以降は運用により、本人が健康で働く意欲があれば、年齢の上限なく引き続き再雇用することとした。これまで定年時に正規雇用から嘱託雇用になっていた70歳未満の職員に対しては希望者を正規雇用に戻した。①-2 制度面<勤務シフトの柔軟化>希望休を月3日までとし、それ以外の休みは管理者側で決めていた。通院等を抱える高齢職員や児童を抱える職員にとっては月3日の希望休だけでは足りない場合もあり、他の職員との勤務交替で対処していたが、結果、勤務シフトが過密になり、疲労感やストレスとなる状況が見受けられた。希望休の上限を撤廃し、休憩室に次の月の希望休が書き込める「希望休・希望勤務シフト表」を張り出し、職員皆で希望休を確認できる仕組みを作った。これにより職員間で休みを確認しつつ、遅出や夜勤シフト等を活用した柔軟な勤務シフト作りを実施した。一人ひとりの生活設計に応じた短時間労働も可能となったため、離職する高齢職員が減少した。② 能力開発<障害ある高齢従業員への支援>障害のある職員も高齢化が進んでいるが、電子カルテや書類の電子化といった新しく導入した機器等を使いこなせるよう支援する者がいなかった。平成27年10月に企業在籍型職場適応援助者を配置。障害のある高齢職員に対し、助言や職場環境の調整を行い技能習得を支援する体制を整備した。③ 健康管理・安全衛生、 その他<健康・メンタルヘルス管理>高齢職員は所定労働時間の条件を満たしていない場合もあり、健康診断やストレスチェック検査を受けていない者が多かった。所定労働時間の条件を満たしていない職員も健康診断やストレスチェック検査の対象範囲にした。衛生管理者を中心に月2回の会社内相談会を開催。仕事や生活等の悩みを話しやすい環境を整備した。2016年版 エルダー活躍先進事例集28-91
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