エルダー2019年4月号
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2019.412本ガイドブックは2004(平成16)年に作成した「砂利採取業高齢者雇用推進の手引き」の改訂版である。前回から10年余りが経過し、少子高齢化による人手不足はさらに進み、安定的な労働力の確保は砂利採取業界においても重要課題の一つになっている。こうした状況を背景に、高齢者雇用の実態を把握するためのアンケート調査を実施。高齢者が活躍できる工夫を各社・各現場で積み重ねていること、これらの取組みによって高齢者の活躍の場が広がっていることが明らかになった。その一方で、業界全体として高齢者の活躍の場を考えていく必要性が求められている。本ガイドブックでは、調査結果に基づき、全編において企業の好事例を紹介し、高齢者活用の一助となることを目ざして作成している。「1 砂利採取業における高齢者の活躍に向けた考え方」では、若年者不足と高齢化により、さらなる高齢者の活躍が求められている背景を説明し、よりいっそう高齢者に活躍してもらうための五つのポイントを導いている。「2 砂利採取業における高齢者の活躍に向けた5つのポイント」では、1で整理した五つのポイントを具体的に解説している。ポイント1「人手不足の解消に向けて中高年者のさらなる活躍方法を見出す」では、一人ひとりの能力や適性にふさわしい仕事・役割を付与し、必要に応じて変更する「個別管理」が重要であると述べている。ポイント2「次世代の育成を図り『少数精鋭』を進めるために高齢者の保有する『現場力』を継承する」では、人手不足の状況下では、少数精鋭で業務を遂行していく体制の構築が必要であり、若手社員の現場力を高めるための育成係として、高齢者の役割が重要だとしている。ポイント3「職場の一体感を生み出すために世代を超えたコミュニケーションを円滑にする」では、連帯感のある職場は、結果的に若年者の定着につながるとし、経営者が間に入り、若手・中堅・高齢者を融和に導く仕組みづくりが必要であると提唱している。ポイント4「長期にわたって働くことを前提とした雇用管理制度を整備する」では、高齢者を積極的に活用するという方針を持ち、次のような人事管理を行うことを奨励している。・ 高齢者が安心して働くための定年制の確立、定年年齢の再検討・ 高齢者のモチベーションを高めるための賃金・処遇制度の見直し・ 人事評価・査定による高齢者のモチベーションの向上ポイント5「安心・安全に働くために安全対策の徹底と健康管理面の配慮を行う」では、高齢者に大きく依存する業界だからこそ、日々の安全対策や会社としてできる健康管理面の配慮・対策の徹底が必要であるとしている。職場環境の改善ポイントをチェック項目にしており、そのまま活用することができる。「3 参考資料」では、統計資料などを交え、高齢者雇用の仕組みづくりを考える際に参考になる資料を掲載している。産業別高齢者雇用推進ガイドライン1多世代共働による職場づくり  〜砂利採取業 高齢者活躍に向けたガイドブック〜一般社団法人 日本砂利協会一般社団法人 日本砂利協会連絡先:東京都千代田区神田駿河台3―1 日光ビル5階TEL:03―5283―3451FAX:03―5283―3452HP:http://www.disclo-koeki.org/06a/00836/「産業別高齢者雇用推進ガイドライン」の紹介

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