エルダー2019年4月号
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特集1エルダー13業界別 シニア人材の活かし方電機・電子・情報通信産業は、会員企業へのアンケート調査により、シニア社員の現状と活躍に向けての課題を明らかにするとともに、シニア社員とその上司を対象としたヒアリング調査を実施。活躍するシニア社員の成功要因を抽出し、その成功要因に基づき、「電経連版キャリア再設計研修プログラム」を開発した。同書は、同プログラムを運用する際に手引きとして活用できる。「Ⅰ はじめに〜本事業の問題意識と取り組み概要〜」で本事業の概要を述べたうえで、「Ⅱ 当業界の高齢者雇用をめぐる状況と課題」において、シニア社員の割合、定年制度・継続雇用の仕組み、評価と処遇などアンケートの調査結果を概観し、シニア社員の活躍に向けた課題を提示している。「Ⅲ 『電経連版キャリア再設計研修プログラム』のねらい、開発手順、骨格」では、同プログラムを50代向けの「(1)準備の段階」と、実際に再雇用された60代前半層向けの「(2)活躍する段階」に分類(※同書は「(1)準備の段階」に対応したものと位置づけられている)。次にプログラムの受講対象者、研修名、目的、構成といった事柄から、事前準備、研修実施の流れなどを骨格として提示しており、研修を実施する際の概要と手順を把握することができる。「Ⅳ 研修プログラム」では、まず、企業が研修を実施する目的と目標が明示され、研修実施時の留意事項をあらかじめ把握できる。なお、内容の詳細・構成は、自社の状況や既存研修プログラムに合わせてつくり変えたり、あるいは必要事項のみを抽出して活用することもできる。「研修カリキュラム」のページは、各事業所でそのままカリキュラムとして活用できる具体的な内容になっている。研修の目的は「60歳を越えてもいきいきと働くための戦略をたてる」。構成は大きく「事前課題」、「研修前半」、「中間課題」、「研修後半」に分かれ、それぞれの講義内容、所要時間、手法(講義・個人ワーク・グループワーク)、「使用する物」などの項目が記載されておりわかりやすくなっている。また、同章末に綴じ込まれた「シート1:棚卸シート」、「シート2:キャリアReデザインシート」、「シート3:計画シート」、「別紙:スキル一覧」がそのまま研修で使えるツールとなっており活用しやすい。「Ⅴ 研修プログラム 企画立案者用テキスト」は、研修を組み立てる際の基本的な考え方と受講者に考えさせるポイントや、教材作成に資する事例をまとめている。Ⅳ章で提示されているカリキュラムに対応しており、研修目的、研修のポイント、コンテンツの考え方を解説し、個人ワーク・グループワークの題材例が具体的に例示されている。各社へのヒアリングで得た「先輩社員の声」、「上司の視点」なども紹介されている。「【参考】活躍する段階」は、Ⅴ章と同様の構成になっており、企画立案者が「(2)活躍する段階」に関して研修を組み立てる場合に参考にするものとなる。電機・電子・情報通信産業経営者連盟産業別高齢者雇用推進ガイドライン2シニア社員が活躍できるキャリアのつくり方  〜電経連版キャリア再設計研修プログラムの提案〜電機・電子・情報通信産業経営者連盟連絡先:東京都千代田区一番町17―4 電機工業会館5階TEL:03―3556―5896FAX:03―3556―5897HP:http://denkeiren.com/

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