エルダー2019年4月号
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2019.414「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」(経済産業省)によると、2019(平成31)年をピークに、情報サービス産業の従事者数は減少に向かうと予想されている。IT人材の平均年齢については、2030年には約3割が50歳以上のシニア層になることが示されている。情報サービス産業における高齢者雇用推進事業では、現在活躍しているシニア人材が、どんなコンピテンシー(行動特性)を持っているかに着目し、検証することにより、30〜40代の人材が将来にわたって活躍していくための「道しるべ」となることを目ざし、本ガイドラインを作成。情報サービス業界で「活躍する人材」について考えるとともに、従業員が活躍しながら、長く働き続けるためには、企業として何に取り組むべきかを解説している。「第1章 情報サービス業を取り巻く環境の変化」では、人口減少社会の影響と、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の進化によって、従来のビジネスモデルを抜本的に変革する「デジタルトランスフォーメーション:Digital transformation」(以下、DX)が世界的に進展していることを解説。DXを背景に、情報サービス産業は各産業にとってますます大きな役割をになうことになると述べ、これから変化する情報サービス産業の「ビジネス」と、IT人材に今後求められるスキルについて提起している。「第2章 『行動特性』、『仕事・経験』からみる活躍人材の特徴」では、現在の情報サービス産業で活躍している人材の特徴として、行動特性や仕事・経験を概観している。2017年度実施の情報サービス産業協会アンケート調査(従業員向け調査)、およびヒアリング調査の結果から、活躍している人材の特徴を「30代」、「40代」、「50代以上」別に紹介。それぞれの世代で活躍している人材が、これまで担当したプロジェクトや職種・工程などの「仕事・経験」、あるいは彼らが持っている探究心、主体性、課題解決力などの「行動特性」をランキング形式に提示し、活躍している人材の特徴を探っている。「第3章 IT人材が長期にわたって活躍し続けるには〜活躍し続けられるIT人材の育成に向けた示唆〜」では、第2章で明らかになった活躍している人材の特徴を分析し、今後、情報サービス産業で活躍し続ける人材になるため、あるいは育成するためにはどうすればよいかを年代別に示唆している。各年代で伸ばすべき能力を示唆することで、より具体的なキャリアプランの設計に一役買う内容となっている。50歳以上のIT人材の活躍については「人事担当者からの声」として好事例が紹介され、60歳以上の人材に対する配慮や取組みについてのアンケート調査の結果なども掲載されている。巻末に「参考資料」を設け、日本の高年齢者雇用をめぐる法制度のほか、企業支援の仕組みなどをまとめている。情報サービス産業高齢者雇用推進ガイドライン  〜未来を見据え、活躍し続けられる IT人材を育成〜一般社団法人 情報サービス産業協会一般社団法人 情報サービス産業協会連絡先:東京都千代田区内神田2―3―4     S―GATE 大手町北6FTEL:03―5289―7651FAX:03―5289―7653HP:http://www.jisa.or.jp/産業別高齢者雇用推進ガイドライン3

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