エルダー2019年4月号
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2019.416結婚相手紹介サービス業では、すでに多くのシニア人材が婚活カウンセラーとして活躍中である。婚活カウンセラーの仕事は年齢と経験を重ねるほど利用者の信用を得られるという特徴があり、本業界においては若年層よりシニア人材の方が仕事に適していると考えられている。よって、他業種からの転職など、今後のシニアの就業と活躍への期待は大きい。本書は、いま活躍しているシニア人材だけでなく、これから本業界に就職を希望するシニア人材も対象にし、長く活躍し続けるための職業マッチングなどについて紹介している。「Ⅰ 本業界で活躍するシニア人材について」は、アンケート調査の結果から、現在、シニア人材が活躍している企業の状況を概観している。多くの企業がシニア人材にカウンセラーや仲人として第一線での活躍を期待し、処遇や責任についても年齢による変化はないと述べている。次に本業界で活躍しているシニア人材の人物像、あるいは向いていない人物像の分析や、当初は活躍できなかったものの企業の支援を得て力を発揮できた事例などを紹介。企業による支援が、ポイントになることを示している。「特にシニア人材に対する支援」と「シニア人材だけに限らない支援」に整理し項目別にしているためわかりやすい。章末では、本業界で働く人材の特徴をまとめている。子育てが終わって初めて就職した人や、他業界からキャリアチェンジしている人が多いため、40代後半からでもカウンセラー業務を始められる、とまとめている。「Ⅱ 活躍するシニア人材に求められる能力」では、ヒアリングの調査結果から、活躍するシニア人材が身につけている要素を①行動面、②スキル面、③態度面の三つの面から抽出。もっとも、これら三つの要素を支える土台に基礎力(心身ともに健康であること、働こうという意志と働ける環境)があるとしたうえで、シニア人材には三つの要素の上に、さらに経験や訓練で身につけた高度専門能力があると述べている。そして①行動面、②スキル面、③態度面の三つの要素別に、活躍しているシニア人材の状況とそれを支えるための企業の取組みを、図表で紹介している。シニア人材が三つの能力をより発揮できるように、企業のどのような支援が必要か、シニア自身はどう努力し、どんな心がけをしたらよいかがわかる。最後に、今後シニア人材が一層活躍していくための、企業の課題として「今後、さらに推進していく必要があるポイント」と、「現在行っているところは少ないが、今後、必要となるであろうポイント」をあげている。さらに「各企業で対応するのは難しく、業界全体で対応していくポイント」については、業界全体で検討していく必要があると結んでいる。「Ⅲ シニア人材の雇用を取り巻く社会背景と業界の実態」には、高齢者雇用に関する統計と、アンケート調査の結果が掲載されている。「Ⅳ 参考資料」は、高齢者雇用に関して事業主が制度の整備を進める際に参考になる制度や行政サービスの情報を集約している。結婚相手紹介サービス業における高齢者雇用推進ガイドライン 結婚相手紹介サービス業のシニア人材活躍サポートマニュアル一般社団法人 日本結婚相手紹介サービス協議会一般社団法人 日本結婚相手紹介サービス協議会連絡先:東京都文京区本郷 3―32―6 ハイヴ本郷401TEL:03―5689―8769FAX:03―5689―8796HP:http://www.jmic.gr.jpシニア人材活躍サポートマニュアル産業別高齢者雇用推進ガイドライン5

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