エルダー2019年4月号
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特集1エルダー17業界別 シニア人材の活かし方本書は、当機構が実施している「産業別高齢者雇用推進事業」において作成した82業種のガイドラインから、事例や提案内容を抽出し、四つのテーマ別に分類して構成したものである。Ⅰ部のテーマは「意欲を持って働いてもらえる制度にするには?」。高齢社員の豊かな知識、経験を活用しつつ、企業の活性化を図るためには、高年齢者雇用安定法に基づく雇用確保措置だけではなく、戦力化を図ることが重要になってきている。そこでⅠ部では、高齢社員を戦力化するために制度を見直した企業の事例を、「定年年齢や継続雇用上限年齢を延ばす」、「役割や能力に見合った賃金設定を行う」といった対策別に整理して紹介している。Ⅱ部では、「どのような役割・仕事を求めるか?」として、「プレーヤーとして活躍してもらう」と「サポーターとして活躍してもらう」という二つの視点から、高齢社員の役割と責任の明確化を図った企業の事例を掲載している。高齢社員に力を発揮してもらうには、これまでの経験を活かせる仕事についてもらうことが一番であることから、「プレーヤー」として業務面で活躍してもらう場合、管理職の「サポート役」として貢献してもらう場合、あるいは技能・ノウハウの「伝承役」として期待する場合などの、それぞれのヒントを紹介している。またⅡ部では、各産業別ガイドラインから抽出した「提案」もあわせて掲載。例えば「高齢社員の強みを把握する」や、「技能の『見える化』にタブレット端末を活用する」などの提案を取り上げている。Ⅲ部では「高齢になってもこの会社で働きたいと思ってもらうには?」がテーマである。役職の降任、賃金の低下、仕事内容の変更などにより、モチベーションが低下してしまう高齢社員が少なからずいる。モチベーションを維持して活躍してもらうために企業が行った取組みとして、「キャリアプランを考えてもらう」、「会社と高齢社員の認識を共有する」、「『学び続ける』『学び直す』ことを支援する」といった事例を紹介。50代から定年後のキャリアプランについて考える場を提供するとともに、企業が何を求めているかをしっかり伝えるといった支援を行っている企業の好事例を紹介している。また、「職場の雰囲気づくり」や、「中高年における学びの重要性」に関係する企業事例なども掲載している。Ⅳ部は「健康・安全のために必要な配慮は?」として、高齢になると低下しがちな体力、注意力などに注目し、安全対策を講じている企業事例を紹介。例えば、「健康管理対策に力を入れる」、「体力負荷を軽減する」など、高齢社員の健康増進と安全に努める対策事例をあげている。巻末には「付録1 産業別高齢者雇用推進ガイドライン一覧(業種別)」が掲載され、「付録2 業種別ワンポイント・ヒント」には建設業、製造業、情報通信業、運輸業・運送業、宿泊業、社会福祉・介護業の主要6業種について、高齢社員を取り巻く環境と戦力化へのヒントを簡潔にまとめた。「付録3 高齢・障害・求職者雇用支援機構が行う支援サービス等のご案内」は、高齢者雇用に関して活用できるサービス、助成金、マニュアル・事例集などを紹介している。独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構高齢社員戦力化のためのヒント集  〜産業別団体による取り組みから〜高齢・障害・求職者雇用支援機構

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