エルダー2019年4月号
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特集2エルダー21人生100年時代 継続雇用・定年延長を考える当社は、1899(明治32)年に「鳥井商店」として開業してから120年、飲料や酒類の製造事業にたずさわり、現在の従業員数は3万7745人、そのうち国内で働く従業員が約1万8000人です。2001(平成13)年に再雇用制度を導入し、2013年からは、当時の60歳定年を延長し、65歳定年制度を導入しました。定年延長の一番の目的は、元気なシニアに、より一層活躍してもらいたいということ。また、年金受給の空白期間を埋めて従業員の充実した生活を支えたいという考えもありました。これにより、処遇は、従前の水準より大きく上がりました。正社員なので転勤の可能性があり、住宅サポートを含めて、福利厚生制度も65歳まで継続されます。企業年金の支給開始年齢も60歳から65歳へ引き上げました。また、制度を構築する一方で、65歳まで活躍してもらうためのサポート施策を、「キャリア」と「ライフ」という二つの軸を設けて拡充しました。「キャリア」では、53、58歳時に、1泊2日のキャリアドック研修を全員に受けてもらいます。53歳時点では成長の再認識を、58歳時点では定年まであと7年ですので、シニアとしての成長の継続を考えてもらいます。「ライフ」では、人事制度や年金制度などについて理解し、将来を考えるライフプランセミナーを、50〜52歳、58歳、63歳の3段階で実施します。65歳定年制導入にともない、役職勇退制度の改定も行いました。部長の場合、従前は55歳から57歳までを勇退期間としていましたが、勇退開始の年齢はそのままにして、62歳まで役職をになえるように改めました。65歳定年制の導入以降、60代の従業員の意識調査を継続して実施しています。2015年から3年間の調査結果をみると、定年延長に対する評価は上昇しており、非常に高いモチベーションを持っていることが見てとれます。また、職域の開発にも取り組み、このほど「TOO制度(隣のおせっかいおじさん、おばさんの略)」を取り入れました。豊富な経験を活かし、若手や転入者、支店長、工場長らに声かけをしてもらい、相談役として職場の活性化に貢献してもらっています。65歳定年制の導入でシニアのモチベーションが向上サントリーホールディングス株式会社 ヒューマンリソース本部 人事部 部長 千せん 大輔企業事例発表165歳定年制の導入◆元気なシニアに、より一層活躍してもらいたい◆年金空白期間の生活を支え、充実させたい◆世の中に一歩先んじて、社会の要請に応えたい60歳で退職し、新たに再雇用嘱託として採用<雇用>● 最長65歳まで単年契約嘱託での雇用<処遇>●常勤:350万円/年●非常勤:180万円/年●住宅等のサポートはなし<退職給付制度>●60歳から企業年金支給65歳で定年退職<雇用>● 正社員として65歳まで雇用 ※ 60歳以降非常勤嘱託も選択可(業務がある場合のみ)<処遇>● 60歳時点の資格に基づき、新資格へ移行 年収水準:60歳時点の6~7割程度       ※役割・資格により異なる● 福利厚生制度(含む住宅サポート)継続<退職給付制度>●65歳から企業年金支給<再雇用制度><65歳定年制>大阪会場

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