エルダー2019年4月号
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2019.422当社は住宅やマンション、商業施設などの幅広い建築事業を手掛けており、社員数は単体で約1万6000人強です。2003(平成15)年に60歳定年後の嘱託再雇用制度を導入し、2013年には65歳定年制度を導入しました。さらに2015年には、65歳定年後の嘱託再雇用制度として「アクティブ・エイジング制度」を導入しています。65歳定年制度の導入は、経験豊富な人材が、定年を機に社外へ出てしまうのはもったいないということと、それまでの嘱託雇用制度が社員にとって魅力的かどうかを調べたところ、「がんばっても報酬は変わらない」、「やる気が出ない」などの声があり、決して魅力的とはいえなかったことから、改定の検討を始めました。社員と会社のウィンウィンの関係を築くには、60歳からの社員の人生に対しても、会社は大きく関与する責任がある、そう判断して「安定的な雇用」、「能力や実力が反映される処遇」、「やれば報われる制度」として、65歳定年制度となったのです。この制度では、60歳で役職定年となりますが、引き続き期間の定めのない社員として処遇します。61歳以降の異動は原則としてありません。退職金は、60歳到達年度末に支給し、企業年金は引き続き社員の規定にて積立てをします。給与などについては、基本給にあたる部分は従前とほぼ同水準としましたが、各種手当と賞与は、一般社員と同様に、組織業績および個人査定により変動します。ただし、賞与の支給率は60歳までの社員と比較して、3分の2程度としています。役職定年後のシニア社員の役割は、「理事」、「メンター」、「生涯現役」の3コースを設定しています。65歳以降の嘱託再雇用制度として整備した「アクティブ・エイジング制度」は、嘱託で1年更新など一定の条件はありますが、上限年齢は設けていない生涯現役制度です。定年退職者の7割がこの制度を選択し、65歳以上の社員は現在120人ほどおり、貴重な戦力の確保につながっています。人件費は、コストでもあり投資でもあります。当社は投資の側面を重視し、結果的にこれらの新制度導入以降の経営数値は右肩上がりとなっています。大和ハウス工業における定年延長と生涯現役への取組み大和ハウス工業株式会社 経営管理本部 執行役員 人事部長 能のう村むら盛もり隆たか企業事例発表2アクティブ・エイジングとは…= 生活の質を落とさず、社会と関わりを持ちながら年齢を重ねるという考え方「アクティブ・エイジング制度」の内容65歳定年以降の「嘱託再雇用制度」を導入(2015年)。年齢の上限に縛られることなく、働き続けることが可能に。社員シニア社員(理事/メンター/生涯現役)嘱託再雇用(1年更新)アクティブ・エイジング60歳(役職定年)65歳(定年)年齢上限なし大阪会場

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