エルダー2019年4月号
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2019.424千 当社ではシニアの社員にかぎらず、全社員に「タレントマネジメント」※を標ひょう榜ぼうしており、一人ひとりの特性をみて適材適所に、という配置を行っています。 また、58歳時に行うキャリアドックで、自身の強みや周りが自分に期待していることなどについて、自分で答えをみつけてもらう機会をつくり、60歳以降の働き方のイメージを描けるようにしていることも、マッチングの重要なポイントだと思います。60歳到達の年度末が役職定年その後の最初の1カ月間は特別休暇能村 当社では、60歳到達の年度末に役職定年で管理職を退き、その後の役割として「理事コース」の場合は役職が変わらず、「メンターコース」、「生涯現役コース」では、同じような領域ではあっても、なるべく職種を変えるようにしています。 ただ、例えば地方に転勤していた社員が、そのまま地方での勤務を望む場合、役職定年後にそれまでの部下が上司になることがあり、そこは、割り切って受け入れてもらうことになります。希望する部署に残るためには「管理職としての仕事ではなく、一担当としての仕事をしてください」という話をして、それが無理であれば別の部署への異動、あるいは、残ることはできないという話をすることもあります。 また、その年度に60歳を超える社員には、5月頃から人事制度についての説明をはじめ、夏頃から直属の上司と面談し、必要に応じて人事からも話す機会をつくり、61歳以降の勤務について説明します。 さらに、60歳到達後の最初の1カ月間(4月)は特別休暇とし、休みにしていますが、この期間に、自分が休んでも会社は変わらないということを実感されるようです。今野 ありがとうございます。処遇も大事ですが、仕事が変わる場合、その人に合う仕事に就けるということがとても重要だと思います。 浅野さんは、さまざまな会社の調査をされていますが、役割や仕事が変わるときの工夫などについてどう思いますか。企業プロフィール大和ハウス工業株式会社◎創業 1955年◎業種 住宅、集合住宅、商業施設などの建築◎従業員数   1万6,275人(2018年4月1日時点)◎特徴的な高齢者雇用の取組み 65歳定年制度と生涯現役の「アクティブ・エイジング制度」を導入した。サントリーホールディングス株式会社◎創業 1899年◎業種 酒類、飲料、健康食品などの研究開発および製造販売◎従業員数  3万7,745人 (2017年12月31日時点)◎特徴的な高齢者雇用の取組み 定年を65歳に延長。同時に、シニア期のサポート施策を整備した。千 大輔氏 (サントリーホールディングス株式会社 ヒューマンリソース本部 人事部 部長)※ タレントマネジメント……自社の人材(タレント)の能力や保有するスキルを把握し、それを活かせる人材配置や教育などを行うこと

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