エルダー2019年4月号
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2019.440すような感覚ではないでしょうか」と営業部の原田佳よし彦ひこ係長は話します。今回は、ともに勤続年数20年を超えて会社を支える、ベテランドライバーのお二人にお話をうかがいました。「人の役に立っている」というやりがい 西文男さん(67歳)は、勤続年数33年のベテラン運転士です。週5日、1日2〜3回、市内の路線を回っています。若いころに一度、車掌として高齢従業員は若手指導の要「50歳以上の運転士が半数を占める当社において、高齢従業員は事業継続に欠かせません。技術の伝達という面でも、若手指導の要となっています」と話す近藤常務。若手運転士が挑む空車教習(お客さまを乗せない空車で運転)では、高齢従業員が同乗し、視野、死角の確認、狭い道で対向車とうまくすれ違うためのコツなど、運行上のポイントを伝授しています。若手従業員との関係性については、「休憩室をのぞくと高齢従業員と若手従業員が仲よさそうに会話をしているところをよく見かけます。世代間でうまくコミュニケーションがとれていると思います。高齢従業員からすれば、自分の子どもと話用で67歳までの勤務を希望しています。高速バスや貸切バスの場合、深夜勤務もあることから、高齢従業員の負担の大きさや安全面を配慮し、同社では貸切バスと高速バスの運転は原則60歳までとしており、60歳以降は路線バスを担当します。例外として、60歳を超えた運転士が1名、高速バスを担当しているとのこと。近藤常務は「高齢の方は特に個人差があると感じています。この運転士とは身体面の相談も含め、意欲や技術、安全面に問題がないかなど総合的に検討したうえで高速バスの担当をお願いしています」と話します。一方、路線バスの場合は、再雇用の上限年齢である67歳以降も運転士として非常勤で勤務することが可能です。月に15日ほどの勤務とし、毎年、契約更新を行い、給与は日給制としています。2008年6月に、金澤プランナーは初めて同社を訪問しました。希望者全員を65歳まで継続雇用する際の訪問だったといいます。「人の命を預かるバスの運転士の場合、何歳まで雇用可能だろうか」という観点でアドバイスをしたと振り返ります。金澤プランナーはその後も、「運転士がバスを降りた場合に、職域の拡大はできないか」など、現状を見極めることに努め、現実的な着地点を探って提案を行っています。観光地を周遊するボンネットバスに乗る西文男さん原田佳彦営業部係長

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