エルダー2019年4月号
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582019.4※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「本体価格」(消費税を含まない価格)を表示します岩いわ出で 誠 編著/清せい文ぶん社しゃ/3000円+税吉岡拓也、根本大介、折本敦子グレイス 著/日本能率協会マネジメントセンター/2000円+税実務につなげる視点から、法改正の要点と対応を詳解社員の人生を充実させる「働き方改革」を目ざすときに役立つ一冊働き方改革関連法の改正に合わせて、多くの企業では就業規則の変更に取り組んでいるものと思われる。とりわけ長時間労働の是正を目的とした労働時間制度の見直しは、企業の人事労務管理に大きな影響をおよぼすものであり、コンプライアンス重視の観点からも、適切な対応が求められている。本書は、主として働き方改革関連法の改正にともなって企業に求められる対応を就業規則変更の観点から整理し解説したもの。2014(平成26)年以降の労働関係法の改正の概要と実務上の留意点を簡潔に示すとともに、就業規則などの変更のポイントがまとめられている。さらに具体的な対応策として、就業規則と労使協定の変更の事例が48事例掲載されているので、自社の就業規則や労使協定と比較することで、ピンポイントで対応することが可能である。最近の法改正の全体像を追いながら、各年の法改正のポイントが説明されているため、通読することに加えて、自社で求められるテーマについて目を通し対応すべき内容を把握することもできる。実務に役立てようという視点が強く感じられる書籍であり、人事労務担当者の座右の書として活用することをおすすめしたい。本書は、生産性向上と社員の健康増進を両立させるための考え方と取組みの方向性、実現に向けた組織改革の進め方を、実例を示しながら解説する実践書。ある企業の取組みを描いた物語が盛り込まれており、主人公が組織のなかで健康的な働き方の仕組みを構築していく経緯を楽しみながら読み進めることができる。物語は、新米の経営企画室長・松田が、ある日、専務の西本から「働き方を変えていくことだけにとどまらず、社員が幸せに、健康に、人生を充実させていくような取組み」を進めるよう命じられることから始まる。仕事に没頭することが心身ともに充実した過ごし方であると考えてきた松田が、いまの時代に合った働き方を学び直すことから行動するという導入部に続き、本書のパート1では健康的に働く意義や必要性などを整理し、パート2では健康的な働き方を目ざすうえでの取組みの方向性を提示、パート3では組織改革の進め方を説明する。「『働き方を考える』ということは、『自分の人生の大半を考える』ということであり、ひいては『定年後にどのような人生を送るか』を考えることでもある」と意識する松田。取組みを通して彼の考え方が変化する様子も興味深い。実践 健康経営健康的な働き方への組織改革の進め方「働き方改革関連法」改正にともなう就業規則変更の実務

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