エルダー2019年5月号
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2019.514職場に与える悪影響  ―指示通りに動かず仕事に支障が―このタイプの年上部下は年下の上司を上司として認めていないという点が問題です。年下管理職としては「指示通りに動かないこと」が仕事の支障になります。また、日常の会話もすべて上から目線。コミュニケーションが取りにくいことに加え、タメ口をくり返されると、管理職としての威厳が保てず、ほかの部下に対する影響力低下にもつながりかねません。ここからは、年上部下を意図通りに動かすための「指示の出し方・指導の仕方」、「日常コミュニケーションの取り方」に分けて解説します。指示の出し方、指導の仕方たとえ過去に管理職経験があったとしても、大きな実績を上げたとしても、部下は部下。まずは、部下に対する指示の原則を確認しましょう。指示を出す場合の3原則は次の通りです。1.ゴールを示す2.やり方を示す3.肯定的に示すこれをアレンジして対応します。ゴールを示す際には、「何のために(目的)、何を(対象)、いつまでに(納期)、どのレベルの品質でやってほしいか(要求水準)」を示します。遠慮していると曖あい昧まいな指示になりやすいため、言葉遣いはていねいにしながらも、キッパリといい切ります。最も重要になるポイントが「やり方を示す」です。実績のある年上部下は、やり方を細かく指定されることを嫌がることもあるため、譲れない点に限定して示します。「肯定的に示す」ということは、「○○するな」という否定的な表現にせず「○○せよ」と表現することです。「するな」といわれると相手は制約と感じてしまいます。では、具体的に会話例で見てみましょう。上司 お願いがあります。部下 何かな?濱はま田だ秀彦株式会社ヒューマンテック 代表ケースで学ぶ年上部下とのコミュニケーション元管理職だった、あるいはプレイヤーとして過去に大きな成果を上げた経験がある年上部下。部下という立場の認識が薄く、指示に従わないこともよくある。話すときは常に上から目線で、高圧的な態度、言葉遣いが目立つ。ケーススタディ 1 過去を引きずる傲ごう慢まんな年上部下ケーススタディ

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