エルダー2019年5月号
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エルダー39あるいは、運んできた荷物を下ろしやすいかを考えて荷物を配置し、管理します。前職の食品卸会社とは、取り扱う荷物の大きさも重さもまったく異なるのですが、倉庫管理の経験があるので、それが活かせてよかったです」とおだやかな表情で話す岡田さん。野角社長は、「岡田さんのおかげで、倉庫内のどこに何があるのか、わかりやすくなりました」とその仕事ぶりを讃えます。岡田さんは、「安全第一を心がけて、ドライバーのみなさんが少しでも仕事がしやすくなるよう、貢献できればという思いで取り組んでいます」と仕事に対する気持ちを話し、「まだ1年目ですが、働けるうちは仕事を続けたい。できれば、70歳くらいまでがんばりたい」と目標を聞かせてくれました。仕事のために身体を大事にする山下博ひろ文ふみさん(68歳)は、勤続27年。大型自動車第一種運転免許、小型移動式クレーンなどの資格を有し、大型トラックのドライバーとして勤務しています。以前は一般貨物の運送を担当していましたが、8年ほど前から電柱を四国全域へ日帰りで運ぶ仕事をしています。野角社長は「山下さんは後輩のお手本となっているベテランドライバーの一人です」と語ります。「私は、40歳で入社して、先輩にイチから教わって大型トラックに乗り始めました。同じ年代の人には負けないぞという思いで一生懸命やってきました。お客さまからときどき、『うまいですね』なんて運転をほめてもらえると、うれしくてね」と満面の笑顔で話す山下さん。仕事をするうえで最も大事にしていることをたずねると、「身体です」と即答。これからも仕事を続けるために、「健康年齢を上げたいと思い、無理のない範囲で毎日運動をしています」と話してくださいました。「働き方改革」に取り組みながら従業員の方と会話する様子などから、野角社長が一人ひとりに目を配って意思の疎通を図り、信頼関係を築いていることが伝わってきました。ドライバー業務について、上限年齢は定めていませんが、従業員自身が退職時期を決めるケースがほとんどだといいます。ある60代のベテランドライバーの方は、「足が荷台に上がるうちは大丈夫と思って、それを基準にして自分で判断し、無理だというときがきたら辞めます」と話していました。「会社に迷惑をかけてはいけない」という思いで判断するようです。「常谷プランナーから、65歳以上の従業員の雇用についてアドバイスを受けています。また、安心して働ける環境の構築に向けて、定年延長の提案をしていただきました。当社は40人ほどの規模ですから、従業員の年齢構成などと照らし合わせて考えていきたいと思います。引き続きアドバイスをいただけたらありがたいです」と野角社長。そして、次のように語りました。「運送業界の人手不足は当分続くと思います。一方で、働き方改革により、当業界と取引先の業界の双方の努力により、少しずつ労働環境が変わろうとしています。そこに期待をしながら、当社においても、従業員が長く働き続けられる環境をつくっていきたいと考えています」 (取材・増山美智子)「毎日運動している」と話すベテランドライバーの山下博文さん

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