エルダー2019年5月号
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2019.542安全・昇降設備や関連資機材のリース・販売を行う会社だが、つちかった経験と知識を活かして製品開発業務に従事してもらうことを想定している。まだ転籍した高齢社員はいないが、忠武建基の70歳の社員が提案したアイデアから開発された製品が、実用化されている。大沼氏も「関連会社が高齢社員の受け皿となり、そこで独自の資材や機材が開発・製品化されることは当社のバリューを高めることにつながります」と期待する。スキルの習得と業務の効率化のため高齢社員のための「IT講習会」を開催 高齢社員の働きやすさの追求と長期的就労を可能とした安心感の提供は、働く意欲の向上につながる。さらなる業務の効率化と生産性を高めるために取り組んでいるのが、高齢社員のITスキルの向上だ。前述したように、社員の日々の就業場所は建設現場であり、本社に戻ることはない。業務をスムーズに遂行するためには、現場との密な連絡や情報共有が欠かせない。従来は紙媒体による報・連・相が主流であったが、電子日報のシステムを導入したことを契機に2015年から「IT講習会」をスタートさせた。 同社は現場の担当者1人が毎週月曜日に集まる「定例会議」と、2カ月に1回全員が集まる作成しなくてもコピー&ペーストにより必要な部分を入力するだけでよいので時間も短縮されます。本社も手書きした書類を入力する必要がなくなり全現場の工程表をメールで送信できます。さらに定例会議の議事録には、各現場で発生したヒヤリ・ハットなどの安全や品質に関する情報などを追加し、全員で共有することができます」 現場の写真や資格証を送る場合もデジタルカメラではなくスマートフォンで撮影すれば瞬時に送付できる。さらにSNSの活用によって会社の伝達事項の共有だけでなく、社員間の情報「代理人・職長研修会」を開催しているが、代理人・職長研修会(午後開催)が行われる日の午前中にパソコンとスマートフォン操作を学ぶIT講習会を開催している。講師は大沼氏が務める。 「本社への提出書類として工事日報以外に毎週作成する週間工程表があります。以前は本社では、各現場の工程表をまとめたものと定例会議の議事録をFAXで現場に送っていました。また、それ以外にも資格証が必要なときは郵送でやりとりしていました。しかし、パソコンやスマートフォンが使えると、工程表を最初から建物の重量を地中の支持層に伝達する杭を、地中深くに施工する大口径深礎工法2カ月に1回開催する代理人・職長研修会の様子。高齢社員を含む全社員が一堂に会する

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