エルダー2019年5月号
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脳力アップトレーニング!働くための2019.564目標第24回ルールにしたがって、1、2、3……と数えながら手をたたいてください。次は、「」と「」の指示を逆にします。新たなルールにしたがって、同様に行ってください。次は、「」と「」の指示を、3つ数えたら逆にしてみましょう。 1~3、7~9 4~6、10スムーズにできるまでくり返しましょうGO/NO-GO課題 今回は「がまん」にかかわる課題です。GO/NO-GO課題と呼ばれる抑制力を調べるのによく使われるものです。「高齢者はかっとなりやすい」などといわれる根拠の一つが、GO/NO-GO課題の成績が、加齢とともに低下することです。がんばってチャレンジしてください。抑制力今回、みなさんに挑戦してもらったGO/NO-GO課題は、「GO(する)」と「NO-GO(しない)」を瞬時に判断し反応することが必要になります。実際にやってみると、くり返し行っていた行動を止めること、つまり「しない」という合図に反応することが、いかにむずかしいかがわかります。そもそも人には行動の保続性があり、くり返し行っていることを“止める”ときには、多くのエネルギーを必要とします。このときに働く力を「抑制力」といい、脳のなかでは、右のこめかみのあたりにある「下か前ぜん頭とう回かい」という領域が主にかかわっています。抑制力は、幼少期の体験や学習によって自然とつちかわれ、成長とともに発達していく力なのですが、大人になって使われなくなると低下してしまう力でもあります。日ごろから抑制力を鍛えて、自身の行動を適切にコントロールできるようになると、周囲からの信頼を得られ、人間関係や仕事の幅などがいままで以上に広がっていくはずです。篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。123456789101234567891012345678910=たたかない=たたかない=1回たたく=1回たたく=たたかない=たたかない=1回たたく=1回たたく今回のポイントとの数や順番(位置)を変えて、家族や友人と一緒に挑戦してみましょう。スムーズにできるようになると素晴らしいです。

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