エルダー2019年5月号
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特集エルダー7年下管理職のための年上部下マネジメント術なぜ年上部下は増えたのか₁「つくれば売れる時代」から「売れるモノをつくる時代」へと資本主義社会における利潤追求方法が変わりました。それにともない、多くの日本企業では実力本位の人事制度が導入され、年功序列システムは崩壊し、上司として自分よりも年上の部下(以下、年上部下)をマネジメントするケースが増えています。また、リストラクチャリング※1の恒常化により、人材の流動化が進んでいます。転職があたり前になったことで、中途入社者が増え、年上部下(シニア社員)をマネジメントする管理職が多くみられるようになりました。また、役職者が一定年齢に達すると管理職ポストを外れる役職定年制度を導入する企業が増え、いままで上司だった社員をマネジメントする逆転現象が起こっています。さらには、2013年4月施行の改正高年齢者雇用安定法により、定年を迎えた社員のうち希望者全員を65歳まで継続雇用する制度の導入が義務づけられました。継続雇用された60歳以上の社員が部下として配属されるケースが増えています。この結果、いままでの上司や先輩を明日から部下としてマネジメントしなければならないといったやりづらい状況が、多くの職場でみられるようになったのです。年上部下・年下上司の実態と対応策₂(1)年上部下、年下上司に関する調査結果インターネットを活用した求人求職サービスなどを展開するエン・ジャパンは、35~59歳のユーザーを対象に、「年下上司」についてアンケート調査を行いました(2016年3月調査、回答数303人)※2。調査結果によると、66%の人が「年下上司の元で働いた経験がある」と回答しました(図表1)。特に40代後半になると78%、50代では74%の人※1 リストラクチャリング…… 不採算部門の縮小・撤退や、事業所の統合・閉鎖、事業の分離・分社化など、事業の再構築、事業構造の変革を行うこと※2  https://corp.en-japan.com/newsrelease/2016/3288.html(エン・ジャパン「ミドルの転職」ユーザーアンケート集計結果)須す東どう朋とも広ひろ一般社団法人組織内サイレントマイノリティ 代表理事年上部下マネジメントのポイント▪総論▪0%20%40%60%80%100%41%62%78%74%34%59%38%22%26%66%あるない総計30代後半40代前半40代後半50代図表1 年下上司の元で働いた経験のある割合エン・ジャパン「ミドルの転職」調べ

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