エルダー2019年6月号
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中川 潔きよし中川安全安心株式会社 代表取締役社長CSP労働安全コンサルタント・CIH労働衛生コンサルタント2019.612はじめに休業4日以上死傷災害人数は年齢が上がるとともに増加しており、60歳以上が約4分の1を占めるなど、高年齢労働者の労働災害は、ほかの年代より多くなっています(図表1)。このなかで最も多い災害は転倒による災害です。転倒の起因物を見ると、「5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)」が不十分だったことが原因となった事例が多くを占めていると考えられます。労働災害を防止し、快適に、効率よく仕事を行い、職場を活性化させるためには、「5S」はとても重要な活動です。特に、高年齢労働者にとっての働きやすい職場づくりには欠かせません(図表2・3)。解 説₁職場の安全衛生の基本「5S」徹底解説!20代1万4,770人19歳以下30代1万8,001人40代2万6,498人50代2万8,631人60歳以上3万27人12万460人図表1  平成29年 年代別休業4日以上死傷災害人数図表2  「5S」の定義と改善のねらい出典: 平成29年労働者死傷病報告(厚生労働省)より作成出典: 筆者作成5S定義改善のねらい整理要るものと要らないものに区分して、要らないものを処分すること不要物や職場のムダをなくすこと整頓要るものを定置(所定の場所)に所定の置き方で置き、いつでも必要なものを間違うことなくすぐに取り出せるようにすることもの探しと運搬の手間をなくすこと新人でも高年齢労働者でもどこに何があるかすぐわかるようにすること清掃身の周りのものや職場のなかをきれいに掃除し、点検をすること清掃の負担を減らすこと汚れるわずらわしさをなくすこと清潔整理・整頓・清掃を徹底すること、いつだれがみても、だれが使っても、いつも同じ状態を保ち、すっきりと、ムダがないよう職場を維持・改善すること整理・整頓・清掃を継続する意識を持たせること改善の不徹底によるムダをなくすこと躾職場のルールや規律を徹底し守ることルールと規律を守らないことによって発生する損失をなくし、全員が安全意識を持って行動すること

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