エルダー2019年6月号
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中川 潔中川安全安心株式会社 代表取締役社長CSP労働安全コンサルタント・CIH労働衛生コンサルタント2019.616はじめに労働災害を防止するためには、機械設備の安全化を進め、安全に作業できる作業方法を徹底することがあげられます。しかし、それだけでは災害ゼロを維持するのは困難です。危険要因を排除し、災害ゼロおよび危険ゼロを実現するためには、労働災害の大部分を占める「不安全行動※1」と「不安全状態※2」の対策が必要となります。その対策に有効な「KY活動」について説明します。〝KY〞とは〝危険(キケン)予知(ヨチ)〞の略です。職場や作業の危険(リスク)を予知(予測)することによって、危険源を把握し、事前に対策を行い災害を防止するものです。それを職場で実践することをKY活動(図表1)といい、実践するための教育をKYT(危険予知トレーニング)といいます。リスクアセスメントも同じですが、危険を予知する力、すなわち〝危険感受性〞を身につけることがこの活動のポイントです。職場や作業のなかには、多くの危険要因があります。日々の業務のなかでは、その危険を感じることなく、何の災害もなく作業を終えることも多いかもしれません。しかしほとんどの作業に※1 不安全行動……労働者本人および関係者の安全を阻害する可能性のある行動※2 不安全状態……事故が発生しうる状態や事故の発生原因がつくり出されている状態解 説2社員の危険感受性を高める「KYT(危険予知トレーニング)」図表1 KY活動のプロセス出典:厚生労働省「職場の安全サイト」を参考に作成どんな危険がひそんでいるかこのプロセスがKY活動「ここが危ないです!」業務の要所要所で一人ひとりが実践目標を立てる対策を決める話合い確 認合 意

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