エルダー2019年6月号
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2019.636めます。同じ課に配属された海外からの技能実習生の指導役も任され、「言葉はうまく通じないけれど教えることは楽しい」とうれしそうに話します。仕事のやりがいは、「若い後輩に指導すること」だそうです。宮本専務も「温厚で、優しく指導してくれています」と評価しており、石本さんに教わっている若い技能実習生もおだやかな表情で業務についていました。つるさき食品に勤めるようになって、毎朝決まった時間に起床し、出勤するなど、生活にリズムができたといいます。いまもフルタイムの8時から17時まで勤務しています。「何年か前に股関節を痛めてしばらく会社を休みましたが、休業と復帰を認めてくれたこの会社だから、長く勤めることができていると思います」と話していました。事務的業務を熟知し、役員の相談相手にも事務所のまとめ役として、はつらつと働く上うえ西にし八や重え子こさん(67歳)は、経理の仕事を中心に、注文書のチェック、商品のラベルの作製、商品にラベルを貼る仕事などを行っています。つるさき食品では、事務職員であっても若年者に限定せず募集していたため、上西さんは45歳で同社に入社しました。同社に入社する前は、地元務が可能となっています。江戸プランナーは「企業診断として雇用力評価診断を実施したところ、非常によい結果でした。そのなかで、『評価・処遇』、『意識啓発・能力開発』により力を入れた方がよいと提案しました」と話します。同社で、会社のまとめ役や指導役として活躍する、高齢従業員3人にお話を聞きました。若い技能実習生の大切な指導役石本節子さん(78歳)は51歳で入社し、つるさき食品で27年間働いています。包装課に所属し、完成してパッケージされた商品を出荷用の箱に詰める仕事をしています。機械を操作して商品ごとにラベルを発行して貼りつけ、所定の数を箱に詰た」と説明します。2013年度の高年齢者雇用安定法改正の際には、顧問社会保険労務士からのすすめもあり、希望者全員を70歳まで継続雇用とする制度に改定しました。制度改定以前から実態としては定年後も継続雇用しており、移行はスムーズでした。さらに、70歳以降も本人の希望があり、健康上の問題がなければ、99歳まで継続雇用としています。また、個人の状況に応じて、本人との話合いのもと、パートタイムに切り替えることもできます。賃金については、定年時の金額を維持しています。昇給はありませんが、従業員の納得感を得るために、退職時の金額を維持し、パートタイムに切り替えた従業員は退職時の給与を時給換算しています。賞与は収益次第で支給しています。勤務時間は、個々の従業員の都合に合わせた柔軟な勤一日の仕事を終え、充実した表情を見せる石本節子さん宮本敬子専務取締役

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