エルダー2019年6月号
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エルダー63みんなから褒められます。体が柔らかいのは、ご先祖さまから受け継ぎました」と鈴木さん。また、健康で現役を長く続けられる秘訣は、食生活だという。「一番大切なのは食べ物。何でもバランスよく食べます。唯一食べられないのはシイタケだけ。母が手づくりした昔ながらの日本食を食べさせてもらっていたのが、元気のもとだと思っています。いまは見よう見まねで、母と同じように手づくりしています」さらに、毎日朝晩やっているのが「ゴキブリ体操」。仰向けになって手足をぶらぶらさせ、それが終わったら、リンパ液を流すマッサージも行う。「仕事は、ずっと続けます。着物は日本の文化であり、"民俗衣装"です。絶対に絶やしてはいけませんね」と鈴木さんは生涯現役を誓う。トミー美容室TEL:03(3690)4952FAX:03(3602)5805(撮影・福田栄夫/取材・細井武)でお客さまが待っています。終わるのは夜の10時、11時。好きでなければできない仕事です」鈴木さんは着物を着る本人が苦しくなく、着崩れもしない着付方法も考案している。「帯の結び方は、お太鼓結び、文庫結び、立て矢結びの3つが基本型です。創作帯は、それをアレンジしていくのです。華文庫、胡蝶文庫など、何十、何百という新しい結び方ができます」伝統を絶やさぬよう生涯現役を貫く現代の名工に選ばれるまでは「自分の年齢を忘れていた」というほど、鈴木さんは背筋がピンと伸びて、かくしゃくとしている。動作はしなやかで、職業柄、お客さまに触れることがあるので、手のお手入れも行き届いている。「着物を着ているせいかどうかわかりませんが、姿勢がよいので帯揚げ、帯板、クリップ、腰ひもなど、着物の着付に必要な小物類トミー美容室の入口に掲示されている「上級着付師之店」のプレートバラ、カトレア、ツバキなどを美しくかたどる丸と角を基本としたカラフルな帯締めをたくさん用意帯の長さは昔より長くなり、いろいろな結び方ができるようになったお太鼓、文庫、立て矢を基本にアレンジする

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