エルダー2019年7月号
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エルダー45タイム勤務でしたが、足や腰の痛みがあることから、いまは体力に合わせて午前8時から午後1時までの半日勤務をしています。髙木副社長は「短時間勤務に変わりましたが、いつも一生懸命働いています。無理のないよう続けてほしい」と公文さんのことを語ります。公文さんは、「足が弱くなって痛みもあるのですが、仕事をしている間は不思議と痛みを感じません。半日勤務だから続けていられると思います。感謝しています」と話します。また、「利用者の方からのちょっとした言葉に、勇気や元気をいただいています。力になってあげたいという気持ちになります」と仕事を語りました。配置転換により勤務を継続小お笠がさ原わら一かず仁ひとさん(58歳)は、家具製造会社などを経て52歳で小谷設計に入社しました。数カ月前までは、「有料老人ホーム野いちご みつばち」のデイサービスセンターでフルタイム勤務をしていましたが、体調を崩して入院し、体力が低下しているため、現在は、同施設で午前8時30分から午後4時までの短時間勤務をしています。仕事は主に、ホームの利用者の生活のサポートで、居室・各棟のごみ収集、清掃、排泄介助、洗濯、移乗、配茶、食事介助など。デイサービスに比べると、ある程度自分のペースで作業ができる部門だといいます。髙木副社長は、「小笠原さんは、入社後に実務者研修を修了し、デイサービスで長い間バリバリ働いていました。体調を崩した際、小笠原さんから辞職の相談があったのですが、『勤め続けられる働き方を考えよう』と配置換えを提案し、受け入れてもらいました」と話します。小笠原さんはこの対応に、「ありがたいことです」と、喜びをかみしめるように語りました。いまの仕事で小笠原さんが心がけているのは、「何ごともていねいに、早く行うこと。利用者に対してやさしく接すること」など。身体の様子をみながら、「定年の65歳まで働いていたい」と、希望を話してくれました。キャリアアップを図っていきたい今後も施設の利用者が、快適に過ごすことができるよう、髙木副社長は同社の従業員が安心して働き続けられる職場づくりにいっそう力を入れていきたいと考えています。「ここまで、制度づくりのために取り組んできて、課題も見えてきています。一つは、介護なし業務スタッフのキャリアアップの道筋をどうつくるか。仕組みづくりができるとよいのですが、働きやすさも大事にしたいので、柔軟な部分と仕組みづくりをどう両立したらよいか。また、介護に従事する従業員の専門性を高めることやキャリアアップについて、従業員の意識をさらに高めていきたいという思いもあります」と髙木副社長。この日、さっそく濱田プランナーと介護人材のキャリアパスなどについて話をし、「今後もサポートしていただければ」と髙木副社長。「これから介護職も変わっていくと思いますので、従業員には自分で考えながら意欲的にこの仕事に臨んでほしいと考えています。年齢にかかわりなく、キャリアアップをしてほしいですし、高齢従業員には若い人にはない人生経験のよさを活かして、身体が続くかぎり勤め続けてほしいです」と今後を語るなかで、高齢従業員の活躍に今後もさらに、期待を寄せています。 (取材・増山美智子)有料老人ホームの利用者の方が使用する湯たんぽを用意する小笠原一仁さん

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