エルダー2019年7月号
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エルダー592019.7 July ニュース ファイル 調査・研究 平成30年賃金事情等総合調査(確報)中央労働委員会中央労働委員会は、平成30年賃金事情等総合調査(確報)結果をまとめた。調査は、介護老人福祉施設以外は資本金5億円以上、労働者1000人以上、介護老人福祉施設は運営主体が社会福祉法人で労働者100人以上の企業計380社(独自に選定し固定している)を対象としている。調査結果のなかから、隔年で実施している「労働時間、休日・休暇調査」(平成30年の回答企業数は267社)についてみると、時間外・休日労働協定で定められている延長時間数(限度)は、1日の限度では「7時間超」が最も多く79社(集計151社の52・3%)、「4時間」21社(同13・9%)、「5時間」14社(同9・3%)と続いている。1カ月の限度では「45時間」が最も多く128社(集計163社の78・5%)、「40時間以上45時間未満」23 社(同14・1%)、「30時間以上40時間未満」10社(同6・1%)と続いている。また、介護休業の最長(限度)期間をみると、「1年」が最多で114社(集計188社の60・6%)、「1年超」39社(同20・7%)、「通算して93日まで」23社(同12・2%)と続いている。 長時間労働の削減についての対策の実施状況では(複数回答)、「労使で話し合いの場を設けている」が159社(集計190社の83・7%)で最も多く、次いで、「年次有給休暇の計画的取得の取組み」147社(同77・4%)、「ノー残業デーを設定」146社(同76・8%)と続いている。長時間労働への対応の状況全国中小企業団体中央会全国中小企業団体中央会と都道府県中小企業団体中央会が公表した『平成30年度中小企業労働事情実態調査』の調査結果から、各企業における長時間労働への対応の内容(今後実施していこうとするものも含む)を調査した結果をみると、「人員の増員・配置見直し」(33・2%)が最も多く、「時間外労働の是正・削減」(30・6%)、「業務内容見直し・業務分担見直し」(30・1%)と続いた。規模別にみると、規模の大きい事業所ほど、「人員の増員・配置見直し」、「時間外労働の是正・削減」といった回答が多く、反対に、規模の小さい事業所ほど、「長時間労働はない」、「特に考えていない」という回答が多くなっている。業種別にみると、製造業・非製造業の各業種とも、「人員の増員・配置見直し」、「時間外労働の是正・削減」、「業務内容見直し・業務分担見直し」の回答が多くなっているが、非製造業と比べ、製造業に多い回答として、「新しい機械装置等の導入による生産性向上・業務効率化」(製造業25・0%、非製造業10・1%)、製造業と比べ、非製造業に多い回答として、「取引先等外部の理解」(製造業5・3%、非製造業9・0%)が主にあげられる。経営状況別にみると、経営状況が「良い」と回答した事業所では、「人員の増員・配置見直し」(47・9%)、「時間外労働の是正・削減」(37・1%)、「業務内容見直し・業務分担見直し」(35・9%)が多く、経営状態が「悪い」と回答した事業所では、「長時間労働はない」(24・8%)、「特に考えていない」(10・1%)が多くなっている。発行物 企業の福利厚生施策の実態調査報告書を刊行JILPT 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)は『JILPT資料シリーズ№210 企業における福利厚生施策の実態に関する調査―ヒアリング結果―』を刊行した。 企業における法定外福利厚生施策は、従来からの慶けい弔ちょう給付や食事・住宅の補助などから、仕事と生活の両立支援、自己啓発、労働時間や休暇制度の見直しなどといった「働き方改革」にかかわる施策などへと多様化が進んでいる。こうした現状をふまえ、企業で実際にどのような法定外福利厚生施策が行われているかを把握するため、厚生労働省からの要請を受けたJILPTではヒアリング調査を実施した。今回の調査は、法定外福利厚生施策全般の実施状況を把握するとともに、企業の規模や業種による特徴を把握することを主な目的としており、特に小規模企業の事例把握に努めている。あわせて、企業と従業員のニーズ、アウトソーシングなどの導入状況、非正規従業員に対する適用なども調査しており、合計20カ所を対象としたヒアリング調査を行っている。報告書は、高齢者雇用推進の一環として福利厚生施策の見直しを検討する際の参考資料として活用されることも期待される。  報告書は左記のURLからダウンロードが可能で、購入する際の価格は600円(税別)。https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2019/documents/210.pdf

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