エルダー2019年8月号
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エルダー33<企業プロフィール>ダイキン工業株式会社 (本社:大阪府大阪市) ダイキン工業株式会社は、本社を大阪市に構える、エアコンなど空調製品の売上げが世界ナンバーワンの空調総合メーカー。日本国内は約1万2000人、全世界で約7万6000人の従業員が働いている。高齢者雇用の先進企業としても知られており、1970年代より高齢者の職場・職域開発に努め、1991(平成3)年に63歳まで、2001年に65歳まで希望者全員を雇用する再雇用制度を導入するなど、いち早く60歳以降の雇用に取り組んできた。同時に、高齢者が快適に働くための職場環境改善にも注力している。 ダイキン工業の「人を基軸におく経営」  同社では、全従業員の成長の総和がグループの発展の基盤という考えのもと、「人を基軸におく経営」を掲げ、年齢や性別、国籍、障害の有無にかかわらず、一人ひとりが強みを発揮できる環境づくり、ダイバーシティマネジメントに努めている。高齢者雇用はもちろん、女性の活躍推進に取り組む企業を認定する「えるぼし※1」最高位や、「なでしこ銘柄※2」を取得しているほか、障害者雇用、外国人雇用にも積極的に取り組んでいる。 高齢者雇用制度  同社では60歳定年後、希望者全員を65歳まで雇用する再雇用制度を2001年より導入。フルタイム勤務のほか、短時間勤務、隔日勤務など、柔軟な勤務形態に対応しており、定年者の約9割が継続雇用で働いている。また、高度な技術やノウハウ、人脈などを持つ、余人をもって代えがたい人材については、「シニアスキルスペシャリスト契約社員制度」により、65歳以降も勤務可能となっている。 従業員の負荷を軽減する「作業環境改善」  業務用エアコンなどの重く大きい製品を製造することから、特に女性や高齢者の作業負荷を軽減する取組みに注力している。同社の堺製作所では、31頁で紹介している支援機器の開発などによる作業改善のほか、従業員のアイデアで現場作業の改善を図る「からくりコンクール」など、改善グループの知恵を借りてさまざまな取組みを行っている。第1回 作業環境改善で高齢従業員の作業負荷を軽減※1 えるぼし……女性活躍推進に関する取組みの実施状況などが優良な事業主を厚生労働大臣が認定する制度※2 なでしこ銘柄……経済産業省と東京証券取引所が共同で女性活躍推進にすぐれた上場会社を認定するものマンガで見る高齢者雇用解説ベテラン従業員の活躍を支え、技術・ノウハウを次世代へ伝える

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