エルダー2019年9月号
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エルダー31<企業プロフィール>ダイキン工業株式会社 (本社:大阪府大阪市) エアコンなど空調製品の売上げが世界ナンバーワン※1の空調総合メーカー、ダイキン工業株式会社。「人を基軸におく経営」を掲げ、高齢者雇用の先進企業としても知られており、高齢者の職場・職域開発や職場環境改善に注力している。また、ベテラン社員が持つ技能伝承も重視しており、卓越した技能者を「マイスター」に認定する「卓越技能伝承制度」や、IoTを活用した「技能の見える化」などにも取り組んでいる。 卓越技能伝承制度  同社では、「卓越技能伝承制度」を設け、モノづくりの基本となる技能を継承する人材の育成に取り組んでいる。この制度は技能に応じて、「技能者」、「習熟者」、「熟練技能者」、「高度熟練技能者」、「卓越技能者」、「マイスター」※2を認定するもので、マイスターは国内外の拠点で、その卓越した技能を伝承し、技能者・指導者の育成にあたっている。 技能のデジタル化  熟練技術者の技能の伝承を目ざし、株式会社日立製作所と共同で、最新のIoT機器を活用し、ろう付け作業における「技能のデジタル化」に取り組んでいる。複数のカメラやセンサーなどを用いて、熟練技術者の手の動きや器具の角度、対象物の温度変化などを時系列で収集・デジタル化し、標準動作モデルを構築。訓練者の動きも同様にデジタル化することで、熟練者と訓練者の動きを詳細に比較することができ、短期間での技能習得が可能となる。 ダイキン技能オリンピック  2年に1回、世界中のダイキン技術者が集まり、ろう付けをはじめ、普通旋せん盤ばんやアーク溶接など、日々の製造現場でつちかった技能を競い合う競技会。2003(平成15)年から開催されており、2019年2月に開催された第8回大会では、世界12カ国28拠点から137人が参加した。主役はもちろん、競技に参加する技術者だが、ベテランのマイスターたちが、運営のサポートをになっている。第2回 IoTの活用で、匠の技を伝承※1 富士経済「グローバル家電市場総調査2017」調べ(グローバル空調メーカーの空調機器事業売り上げランキング(2015年実績))※2 空調部門での呼称は「マイスター」。化学部門では「エキスパート」と呼称しているマンガで見る高齢者雇用解説ベテラン従業員の活躍を支え、技術・ノウハウを次世代へ伝える

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