エルダー2019年9月号
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高齢者の現場企業プロフィール2019.936第88回佐賀県佐賀県は、九州の北西部に位置し、東は福岡県、西は長崎県に接し、北は玄げん界かい灘なだ、南は広大な干ひ潟がたの広がる有明海に面しています。朝鮮半島に近く、古来、大陸文化との交流が深く、歴史的、文化的に重要な役割を果たしてきました。佐賀県といえば、伊い万ま里り、有田、唐から津つの陶磁器や吉よし野のヶが里り遺跡、産業では稲作やみかんなどの農業、有明海の海苔の養殖が有名です。工業では、製品出荷額の多いものとして、輸送用機械器具、化学工業、食料品などがあげられます。当機構の佐賀支部高齢・障害者業務課の峯恭やす彦ひこ課長は、「佐賀県は、江戸時代の武士道論書『葉は隠がくれ』※2の精神を受け継ぎ、焼き物などに代表されるモノづくりへのこだわりを持つなど優秀な人材が多い。また、自然災害が少なく、アジアにも近く、九州の交通の要衝として良好な地理的環境であるなど、企業が立地するうえでの強みや魅力にあふれています。2018(平成30)年には、佐賀の偉業や偉人を振り返る『肥ひ前ぜんさが幕末維新博覧会』が開催され、日本の近代化を支えた技と、幕末から明治にかけて学問・医学・政治・外交などの幅広い分野において活躍した人材があらためて注目されました」と佐賀県を誇ります。また、「当課では昨年、佐賀県開催の『九州・山口70歳現役社会推進大会佐賀県大会』に協力し、前述の博覧会ともコラボレーションしました。佐賀の人・技を生み出した志を活かし、未来につないでいくためにも、今後も関係機関と連携を図るとともに、事業所への相談・助言活動に注力していきます」と峯課長。佐賀支部では、事業所からの要望などに対応し、65歳を超えた継続雇用延長や定年引上げにかかる制度改善の提案、相談活動健康であるかぎり、働きたいと望む年齢まで働ける会社を目ざして株式会社有あり明あけ電設(佐賀県佐賀市)2020年には創業50周年を迎える有明電設本社▶創業 1970(昭和45)年▶業種  電気設備工事業(配線工事、空調管設備工事、情報通信設備工事など)▶従業員数 134人(60歳以上男女内訳) 男性(16人)、女性(1人)(年齢内訳) 60~64歳 9人 (6.8%) 65~69歳 6人 (4.5%) 70歳以上 2人 (1.5%)▶定年・継続雇用制度定年60歳。定年後は、就業規則により、希望者全員を65歳まで再雇用する。その後、一定条件のもと、70歳まで再雇用する佐賀県このコーナーでは、都道府県ごとに、当機構の65歳超雇用推進プランナー※1(以下「プランナー」)の協力を得て、高齢者雇用に理解のある経営者や人事・労務担当者、そして活き活きと働く高齢者本人の声を紹介します。※1  65歳超雇用推進プランナー……当機構では、高年齢者雇用アドバイザーのうち経験豊富な方を65歳超雇用推進プランナーとして委嘱し、事業主に対し、65歳を超えた継続雇用延長・65歳以上への定年引上げなどにかかわる具体的な制度改善提案を中心とした相談・援助を行っています※2 葉隠……江戸中期の武士道論書。佐賀藩士山本常朝が口述し、田代陣基が筆録

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