エルダー2019年9月号
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エルダー39ほど秘書技能検定2級に合格し、「次の準1級合格を目ざして、勉強を続けています」と陣内さん。ていねいな仕事ぶりに加え、取引先について熟知していることから、ほかの従業員から「頼りになる存在」と、親しまれています。「健康であるかぎり、できるだけ長くこの会社で働いていたい」と話してくれました。経験と資格を活かして活躍し続ける鷲わし﨑ざき喜よし英ひでさん(69歳)は鉄鋼や土木建設の仕事を経験した後、59歳で入社し、有明電設に勤めて11年になります。「過去の経験を活かして、電気設備工事を学びたくなった」ことが入社動機だとのこと。物をつくり上げる仕事に魅力を感じ、1級施工管理技士、2級建築士など多数の資格を持ちます。現在は「月16日出勤コース」を選択し、武たけ雄お営業所の空調管技術部で、建物の空調・換気設備の設計・施工などを担当しています。座右の銘は「一いち隅ぐうを照らす人間であれ」。いまいる場所で精いっぱい努力することをさす言葉で、「目の前の仕事を確実に成し遂げることに努めています」と、仕事に対する姿勢を話します。また、「この年齢まで自分を必要としてくださる会社に感謝しています。仕事をしているということは、社会に少しは役に立っていると思えることです。最後の1日まで気を抜かず、いまの仕事をやり遂げたいと思います」という抱負とともに、健康のために「手づくりの食事をきちんととることを心がけています」と話してくれました。若い従業員の安心感を醸じょう成せい峰守総務部長は同社の高齢従業員について、「技術、経験に加えて、取引先の方々や同業他社のことをよく知っていて、急な仕事の調整など、いざというときに対応できる力も持っていますので、心強い存在です。電気関係の仕事は、資格を取り、実績を積むことで70歳になっても続けることができます。若い人たちにもそういう話をしますし、実際に活躍している先輩が近くにいて指導をしてもらえることから、若い従業員の目標にもなっています。将来の安心感につながっているように思います」と話してくれました。また、「市場規模が縮小しつつあるこれからは、従来のような経済的成長を毎年続けることはむずかしいと考えます。今後は、現状を維持しながら、当社で働く従業員のワークライフバランスを考えていくことも重要です。必要な資格を取得することを支援して仕事の質を高めつつ、意欲を持って仕事に取り組み、健康であるかぎり、働きたいと望む年齢まで働ける会社を目ざすことが大事ではないでしょうか」と、同社の今後と従業員の働き方について語ります。現在、継続雇用者も含む賃金体系の見直しをしているという同社。峰守総務部長は「年金受給開始年齢などをふまえ、継続雇用後の生活に不安がないようにしていきたい」と見直しの目的を話します。また、65歳への定年延長も視野に入れており、「引き続き木貞プランナーに協力をいただきながら取り組んでいきたい」と、さらなる制度の充実に向けた意気込みを話してくれました。(取材 増山美智子)施工管理技士として、施工図の作成や工程管理を行う鷲﨑喜英さん

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