エルダー2019年9月号
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エルダー3圧対策、肥満対策にもなるので、積極的に摂りたいですね。脳内のブドウ糖代謝を活性化するビタミンB1も含まれているので、長寿食としておすすめです。また、積極的に摂りたい栄養素としては、「トリプトファン」があげられます。これは、人間の体内では合成できず、食物から摂る必要のある必須アミノ酸の一つで、摂取すると体内時計に関連するセロトニンやメラトニンに代謝されます。健康に欠かせない成分であり、体内時計を整え、不眠症や時差ぼけの解消に役立つといわれています。肉、魚、豆、ナッツ、豆乳、乳製品などに広く含まれていますが、おすすめの食べ方は「かつお節」を毎日の料理に取り入れること。発芽玄米に、かつお節を振りかけたり、味噌汁に入れたり。これにトマトでも添えれば、GABA成分とトリプトファン、ビタミン類が摂れる、健康的でローカロリーな食事になります。ー永山先生が提唱されている「健脳食」については、いかがでしょうか。永山 発想力、記憶力を高めて脳を活性化し、元気に働きたい方は、オメガ‐3脂肪酸を注意して摂るといいでしょう。サバ、サケ、イワシ、タラ、マグロなどの魚介類には、記憶力の衰えを救うDHA(ドコサヘキサエン酸)のようなオメガ‐3脂肪酸が多く含まれています。また、ニンニクやタマネギには硫化アリルという血液サラサラ成分が含まれ、健康成分として注目されています。先ほどお話した、「膾」の料理法にならって、新鮮な魚をぶつ切りにしてニンニク、タマネギと酢、醤油で味つけし、日々の食事に取り入れるようにすれば、脳も元気、血管も元気な生活を送る手助けになるでしょう。脳という臓器は、老化して脳細胞が壊れてしまうと復元できないという特性をもっています。魚を工夫して食べ、抗酸化成分が豊富な旬の野菜や果物をたっぷり食べることで、健康な身体、健康な脳を維持することができるでしょう。て摂った方がいい栄養、食材について教えてください。永山 まずは、日ごろ白米を食べている方なら、発はつ芽が玄米に替えることをおすすめします。日本人はあまりにも忙しくて、脳はオーバーフローを起こしています。毎日の仕事で忙しく、イライラしたり、眠れなかったりすることもあるでしょう。発芽玄米には、いま話題のGギャバABA(ガンマ‐アミノ酪酸)という成分が多く含まれていて、脳をリラックスさせ、ストレスを軽減する効果が期待できます。血元気に働くためにおすすめするのが「長寿食」栄養素を上手に摂って、健康・健けん脳のうを目ざす

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