エルダー2019年10月号
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特集エルダー92019年度 高年齢者雇用開発コンテストⅠ企業の沿革・事業内容Ⅱ1978年9月、精神科医の創業者が「五色台病院」を開業、1982年には「医療法人社団五色台病院」を設立した(2017年11月「こころの医療センター五色台」に名称変更)。1996年に「医療法人社団五色会」に法人名称を変え、同年、介護老人保健施設を開設した。1999年には、精神障害者生活訓練施設を開設、また、2001年には有料老人ホーム「やすらぎホームさぬきのくに」を開設するなど坂出市内に業容を拡大していった。その後、メンタルクリニックや精神障害者のグループホームの開設などに着手、現在は坂出市・高松市内に病院・診療施設4カ所、社会福祉施設4カ所、高齢者施設4カ所(うち1カ所は株式会社)、保育施設1カ所を運営している。開業以来、「地域に溶け込み 笑顔で心を治療する」ことを理念に掲げ、地域精神科医療の中核的な役割をになっている。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ2000年ごろより、病院、老人介護施設、障害者施設を増設するなどの業容拡大にともない、職員数が大幅に増加した。現在は454人の職員を擁ようするが、そのうち60歳以上の高齢職員は57人(男性28人、女性29人)で、全体の12・6%を占めている。当初は若年層の人材確保に重点を置いたが、福祉分野の需要の拡大につれ、採用難による人手不足が慢性的な状況になり、長年の業務経験を持つ高齢職員の活用が不可欠になっていた。こうした状況のもと、勤労意欲の高い高齢職員の人材確保のために、2014年11月に、定年年齢を60歳から65歳に引き上げ、さらに70歳まで継続雇用する制度を導入した。また、高齢職員が長く働くことができる環境づくりを目標に掲げ、2016年1月に短時間正職員制度を導入、柔軟な働き方を実現し、生涯現役で働くことを可能とする道を開いた。改善の内容Ⅳ(1)制度に関する改善・定年制度の改定2014年11月に定年を65歳、継続雇用の上限年齢を70歳に引き上げたが、それにともなう人事管理制度や役職については、従前の制度を継続している。基本給の支給水準は、定年時の水準が雇用上限年齢まで適用されるが、昇給は行われない。また、役職については、原則として定年前の役職が継続されるが、人事評価で役職に求められる職責が果たせなくなった場合は外れる。さらに、高齢職員が継続雇用の上限年齢に達した後も継続雇用を希望する場合、一定の条件を設けて年齢の上限のない勤務延長を実施しており、現在の最高年齢者は82歳である。・短時間正職員制度の導入従来より職員の希望に応じて、個別に柔軟な働き方(短時間、短日)に対応してきたが、2016年より短時間正職員制度を導入した。制度の利用を希望する全職員を対象にしており、実施手続きとしては、本人の申請をもとに所属長と理事長が検討して決定する。なお、賃金(基本給と賞与)はフルタイム勤務を基準とした時間比率で減額されるが、同制度利用後のフルタイム勤務への復帰の道も開かれている。こころの医療センター五色台

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