エルダー2019年10月号
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企業プロフィール株式会社 アパレルオオタ(長崎県南島原市)全従業員の多能工化を進め高齢者の戦力化と生産性向上を達成厚生労働大臣表彰特別賞高年齢者雇用開発コンテスト2019年度株式会社 アパレルオオタ(長崎県南島原市)◎創業 1987(昭和62)年◎業種 繊維工業(縫製業)◎従業員数 92人( 内  訳 ) 60~64歳 12人 (13.0%) 65~69歳 8人 (8.7%) 70歳以上 7人 (7.6%)◎定年・継続雇用制度定年なし。現在の最高年齢者は75歳2019.1028本事例のポイントⅠ株式会社アパレルオオタは、1987(昭和62)年に、創業者である現会長が有限会社アパレルオオタとして設立、ベビー服縫製加工を開始した。創業以来、地域密着型経営を理念に掲げ、地元の雇用促進を通じて地域経済活性化に寄与することを目標としている。高齢化に拍車がかかる地域において、高い勤労意欲を持つ高齢従業員の戦力化が事業存続には不可欠であったため、2代目社長の就任を機に、全従業員の﹁多能工化﹂を推進してきた。積極的な取組みが功を奏し、現在、市内を代表する縫製業者として業界を牽引している。 《POINT》(1)これまでは定年を70歳とし、それ以降は運用により勤務延長で雇用してきたが、高齢従業員の専門技術を財産ととらえ、2019年度から定年制を廃止した。(2)急な休暇取得や短日・短時間勤務への移行に容易に対応できる勤務体制を導入、高齢従業員のワーク・ライフ・バランスをふまえた柔軟な働き方が可能になっている。(3)全従業員の多能工化を経営方針として掲げ、高齢従業員が技術伝承役として活躍している。また、外国人技能実習生に対して家族のように接し、精神面をサポートしている。(4) 従業員の提案により、LED照明やキャスターつきの台を導入、高齢従業員が働きやすい職場環境づくりに取り組んでいる。バリアフリー化にも着手した。(5)年齢に関係なく勤務することが可能な職場づくりを目ざし、ライン長を中心にグループ内で協議し問題解決にあたる流れを確立。

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