エルダー2019年10月号
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エルダー39(昭和53)年に創業。2008年に業容拡大にともない株式会社松尾青果を設立しました。もともと同社では、地元・島原半島のジャガイモを中心に集荷・販売をしていました。しかし、南島原の周辺地域は、設立当時から後継者不足や働き手の不足、にない手の高齢化により、農地管理が困難になっている農家が多く、同社も同様の悩みを抱えていました。創業者である松まつ尾お博ひろ明あき代表取締役社長は、自社と地域農家の人手不足解消には、高齢者の雇用とその受け皿づくりが必要だと考え模索した結果、1995年にジャガイモ、レタス、キャベツなどの作づけ・収穫の代行支援を行う農業生産法人「有限会社ぽてとの里」を設立しました。近隣の農地管理が困難な70軒の一般兼業農家で、松尾青果に所属する高齢社員が農作業を代行して農家支援を行い、それが一段落すれば、高齢社員は松尾青果での農作業や、工場内の選果、選別作業にあたってもらっています。つまり、ぽてとの里は、雇用の創出と地域雇用の受け皿として機能するほか、季節に影響を受ける農業の、雇用の調整弁としての役割をになっているのです。2000年代には、鹿児島県沖おきのえらぶ永良部島や北海道広尾郡などに関連会社を設立し、鹿児島から北海道まで日本全国で収穫した旬の青果を九州、関西、関東、北陸、北海道の各市場へ、1年を通して安定的に流通させることを可能にしました。松尾社長は「長崎県産ジャガイモの出荷時期は年間で4〜6月にかぎられており、出荷時期限定で働いてもらうパート社員もいました。そうしたパート社員を1年を通して雇用したいと思い、全国リレー集出荷システムを考案しました」と話し松尾博明代表取締役社長※2 披瀝……心の中を包み隠さず打ち明けること[藤澤プランナーから]「経営戦略的方策の一つとして、また働き方改革の一環として、高齢者の有効活用を経営者に働きかけています。人生100年時代と盛んにいわれているなかで、高齢者自身が人生を再設計することも必要です。76歳になるプランナーとして、自らの生き方(生涯現役・臨終定年)を披ひ瀝れき※2して、高齢者の伝統的生き方の転換を働きかけています」高齢者雇用の相談・助言活動を行っています◆同課の林田課長は、「藤澤プランナーは、社会保険労務士、中小企業診断士のほか、長崎総合科学大学経営情報学科客員教授をされていました。69歳で長崎大学大学院経済学研究科で博士号を取得されるなど精力的で、経営コンサルタントとしても活躍されています。相談・助言においては、藤澤氏独特の視点・発想による切り口から、事業者の強みや弱み、課題を的確に指摘し、改善に向けて取り組まれています」と話します。◆長崎支部が所在する諫いさ早はや市は、4本の国道とJR、島原鉄道が交わる交通の要衡で、支部はJR諫早駅からバスで6分の国道沿いに設置しています。◆65歳超雇用推進プランナーが5名、高年齢者雇用アドバイザーが1名の計6名で高齢者雇用に関する相談・援助活動をしています。年間で400社~450社を訪問、相談・助言に対応しています。◆相談・助言を無料で実施しています。お気軽にお問い合わせください。●長崎支部高齢・障害者業務課住所:長崎県諫早市小お船ぶな越こし町まち1113ポリテクセンター長崎内電話:0957(35)4721藤澤雄一郎 プランナー (76歳)アドバイザー・プランナー歴:14年

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