エルダー2019年10月号
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2019.1056※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「本体価格」(消費税を含まない価格)を表示します高たか仲なか幸ゆき雄お 著/経団連出版/2000円+税岩出誠 編集代表ロア・ユナイテッド法律事務所 編著/日本加除出版/3000円+税ガイドライン・判例から読み解く同一労働同一賃金Q&A最新整理働き方改革関連法と省令・ガイドラインの解説働き方改革推進のために、多くの企業でさまざまな取組みが進んでいると思われる。今回の法改正は、時間外労働の上限規制が盛り込まれた労働基準法の改正をはじめ、労働安全衛生法、労働時間等設定改善法、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法など多岐にわたるため、その全貌を把握して適切に対処するために、企業の人事労務担当者には相応の努力が求められるのではないだろうか。本書は、このような人事労務担当者を念頭に企画されたもの。改正された法律ごとに改正内容が整理され、また解説は、改正前後の相違点や施行時期、経過措置に留意しつつ、「企業が何をどう準備すればよいのか」という視点に基づき、実務対応において留意すべき点を明快に示しているところに特徴がある。労働問題を専門とする法律事務所が手がけているだけあって、指針やガイドライン、行政通達の内容にも目を配り、人事労務担当者にとって必要な情報が過不足なく盛り込まれている。企業にとって、コンプライアンス遵守の重要性が増すなか、働き方改革を進めるために企業に求められる取組みを、本書を手に取りながらいま一度確認してみてはいかがだろうか。働き方改革の目玉の一つとされる「同一労働同一賃金」。非正規社員の均きん衡こう待遇・均きん等とう待遇の実現には「同一労働同一賃金ガイドライン」を正確に理解したうえでの対応が求められる。そのために役立つ解説書が刊行された。労働問題を専門に手がける弁護士が執筆にあたり、全体は「Q&A編」と「参考資料編」の2部から構成されている。Q&A編は、「総論」、「均衡待遇・均等待遇の規制」、「待遇ごとの検討」、「待遇差の説明義務」、「派遣労働者の待遇」、「その他」にわかれているので、この問題の全体像を把握したい人はもとより、すでに全体像を把握している人が、各論の詳細を知るためにも便利な構成だといえるだろう。また、Q&A編の解説には、豊富な図表と資料を抜粋した「関連知識」が盛り込まれており、読者の理解を手助けしてくれる。一方、参考資料編には、主要な法律の改正部分がわかる新旧対照表や省令、指針、さらに「均衡待遇・均等待遇をめぐる判例・裁判例の概要」が収録されている。同一労働同一賃金をめぐる課題に一定の答えが必要な人事労務担当者の要望に応える内容であり、必携の書といえるだろう。人事制度の見直しに必要な情報と実務上の留意点を詳解企業に求められる対応を明快に整理

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