エルダー2019年10月号
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脳力アップトレーニング!働くための2019.1064目標3分第29回1から50までの数字が、ランダムに散らばっています。1から順に数字を探していってください。制限時間は3分です。くり返しチャレンジしてみましょう。混乱しそうになっても、しっかり根気よく探すのがポイントです。順に数字を探す 集中しているとき、脳では前頭眼野という眼球の制御にかかわる脳部位が活動を高めます。集中するとは「しっかり見ること」にほかならないのです。「眼」の機能を鍛える視覚情報の入力を行う器官である「眼」は、脳活動と密接にかかわっています。例えば、眼球運動は、脳の前頭眼野が制御にかかわっていて、どこかに視点を定めると活動が高まります。さらに、中心溝の近くにある補足眼野は、離れた位置にあるものを素早く追いかける急速眼球運動(サッケード)の制御にかかわっています。つまり、「眼」の機能を鍛えることが脳活動を高め、ひいては集中力や判断力、情報処理能力など、さまざまな能力を高めることにつながるといえるのです。そこで、今回の脳トレでは、対象の数字を順に探すことで、眼球を素早く動かして正確に対象を見わける力や、広い視野で物を見る力などが鍛えられます。これらの能力がアップすると、周りの状況を広くとらえながら、瞬時に必要な情報だけを取り込むことができるようになり、仕事や家事などの効率も上がっていきます。制限時間を意識して、くり返し挑戦してみてください。篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。豆 知 識脳科学の世界では「見ることは好きになること」といわれます。「しっかり見る」ことは集中力アップだけでなく、対象を好きになることにもつながります。

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