エルダー2019年11月号
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特集エルダー92019年度 高年齢者雇用開発コンテストⅡそうではない業務に分け、高齢職員には、シーツの交換、室内の清掃、食事の準備など、それぞれができる業務を担当してもらっている。(5)職員の健康診断は、同法人敷地内にあるクリニックで、全職員が年2回ずつ受診しており、費用は同法人が負担。また、50人以上の事業場ごとに義務づけられているストレスチェックも、50人未満の事業場も含めて全職員を対象に実施している。(6)2017年より、理事長と全職員が参加する意見交換会を実施している。職員が出席しやすいように年5回場所を変えて行っており、職員は自分の都合に合わせ、年1回参加している。仕事に対する提案や職員の本音を聴く機会となっているとともに、法人としての考え方を職員に伝える貴重な場にもなっている。企業の沿革・事業内容Ⅱ1981年の創業時に開園した「こばと保育園」を皮切りに、障害者支援施設、デイサービスセンター、養護老人ホーム、居宅介護支援、訪問介護、認知症高齢者グループホームの運営などさまざまな事業を展開しており、現在では、保育サービス(3施設)、障害者サービス(2施設)、高齢者サービス(4施設)、そのほかに子どもの運動遊び場(屋内)や入浴施設、カフェレストランなどを運営している。小山市を中心に近隣地域の児童、障害者、高齢者などに、多様な福祉サービスを提供している。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ職員数295人のうち、60歳以上は43人で全体の約15%を占めている。60歳以上の年齢構成は、60~64歳15人、65~69歳16人、70歳以上12人。「長く働いてくれる職員を大事にしたい」との思いから、同法人では職員が高齢になり、いままで通りの仕事ができなくなっても、管理者の判断でさまざまな部署に異動できる仕組みがある。そのため、職員は安心して長く働き続けることができる。「勢いのある若い職員も必要ですが、利用者の話を親身になってしっかり聞くことができる高齢職員も必要です。両者のバランスを大切にしたい」と大おお木き元げん理事長は語る。また、職員の資格取得についても本人の希望や業務の必要性に応じて取得をうながしており、費用は同法人が一定額負担している。深夜の当直業務については、高齢職員が担当する回数を減らすなどの配慮をしているが、体力的にどうしても深夜業務がむずかしい場合は、管理者の判断でデイサービスなど、昼のみの業務に異動させることもある。「年齢に関係なく、職員が働きやすい環境を今後も整備していきたい」と小川慶太朗事務長は話す。社会福祉法人洗心会が運営する、サンフラワー療護園小川慶太朗事務長

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