エルダー2019年11月号
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特集エルダー132019年度 高年齢者雇用開発コンテストⅡスを設置し、高齢従業員と若手従業員、また社内全体のコミュニケーションの場を積極的に設けている。企業の沿革・事業内容Ⅱ1982年にパソコンショップCPUとしてスタートし、翌1983年に国内初となるパソコンによる建築CADシステム「まどりくん」を開発。1984年に株式会社シーピーユーを設立した。以後、金沢本社のほか、北は北海道から南は福岡県まで、日本各地に12の支店・営業所を持ち、業界のパイオニアとして業容を拡大してきた。現在は、建築・土木業向けのソフトウェア開発を中心に、ホームページ作成ツールの販売や、地域ICTプラットフォームサービスアプリ「結ゆいネット」の配信など、幅広いサービスを提供している。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ従業員数は157人︵2019︵平成31︶年4月1日時点︶。全体の7%にあたる11人が60歳以上で、そのうち4人が65歳定年後の再雇用者である。世代別の割合は、40代が35・7%︵56人︶で最も多く、次いで30代が24・8%︵39人︶という構成となっている。採用状況については、創業以来、中途採用が多く、同業他社を定年退職した高齢者を再雇用した例もある。宮川昌江社長の「今いる社員を大事にする」精神のもと、在宅勤務によるテレワークや、短時間・短日勤務など柔軟な働き方を構築してきたことが、従業員の勤続を支え、高齢従業員の経験と知識の蓄積、活用につながってきた。「実年齢よりも重要なのは健康年齢。元気なかぎりは仕事を続けてほしい」という同社の考えに基づき、60歳以上の高齢従業員は、管理部門や営業部で長年の経験を活かした仕事を継続している。また、最新の技術・知識が必要となる開発部門でも、高齢従業員が責任ある仕事をになうこともあり、今年定年を迎える、64歳のプログラマーが活躍している。業務に精通した高齢従業員が職場にいることで周囲に安心感を与えると同時に、若手従業員を大いに鼓舞している。改善の内容Ⅳ(1)制度に関する改善①定年制と再雇用制度「世の中の高齢化を見据えれば、いずれ定年は65歳になる」という宮川社長の先見のもと、同社は2009年に定年を61歳から65歳に引き上げた。65歳定年の後も運用により希望者全員を再雇用していたが、その実態をふまえて、2016年に上限年齢のない再雇用制度を制定した。制度上は、日ごろの働きぶりなどを考慮して再雇用の是非を決めることとしているが、近年は再雇用不可とした従業員はおらず、特に2012年以降に定年を迎えた従業員は、全員が再雇用により活躍している。雇用形態は原則として契約社員で、期間は1年更新としている。株式会社シーピーユー本社

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