エルダー2019年11月号
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特集エルダー152019年度 高年齢者雇用開発コンテストⅡ齢従業員の世代を超えた交流が生まれている。また、収穫物は、社内の人ならだれでも持ち帰ることができ、屋上菜園は社内全体のコミュニケーションの場となっている。・多目的スペースの設置本社1階の管理部門では、71歳の再雇用者を含め高齢従業員が複数人働いているが、1階に休憩スペースがなかったことから、受付近くの場所を一部改装し、従来の来客用の待ち合わせ場所としての用途に加え、従業員の休憩スペースとしても利用できるように改善した。受付横ということで最初に目につく場所にあり、自動販売機も設置しているため、外出先から戻った際など、従業員同士のコミュニケーションの場としての役割も果たしている。(4)能力開発に関する改善業務に関連する資格取得を推奨しており、試験の内容、難易度によっては受講費用を会社負担としている。また、2015年度からは、資格手当の支給を開始した。資格取得は年齢にかかわらず推奨しており、近年では国家資格である衛生管理者試験に高齢従業員が合格。従業員全体のモチベーションアップにつながった。(5)健康管理・安全衛生・時間外労働の削減、有給休暇の取得促進同社では、2019年3月から2021年3月までの行動計画をホームページなどで公表しているが、そのなかで、所定外労働時間の削減や有給休暇取得促進のための措置を取ることを目標に掲げている。行動計画に基づき、業務に比較的余裕のある時期には、積極的な休暇取得や定時退社を推奨しており、各部長へ呼びかけるなど、従業員の健康的な職業生活の構築に向けて着手したところである。一カ月あたりの平均時間外労働は2017年以降徐々に減ってきているが、今後一層の成果が期待される。・健康管理体制の強化高齢従業員も安全衛生委員会のメンバーとなっており、安全衛生委員会では、医師からのアドバイスなどを全員で共有している。また、所定外労働時間の削減方法についての検討や全フロアに温度計を設置し従業員の体調管理に務めるなど、健康経営に積極的に取り組んでいる。(6)今後の展望2019年4月、正規従業員に対する人事評価制度を導入したが、今後65歳以上の非正規従業員に対しても拡大していくことを視野に置いている。「世の中の高齢化を見据えれば、いずれ定年は65歳になる」という宮川社長の先見の明のもと、全社をあげた「いつまでも働ける」職場環境づくりは着々と進められており、さらなる高みを目ざして同社の挑戦は続く。高齢従業員のアドバイスによって栽培している屋上菜園改装して誕生した本社1階の多目的スペース

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