エルダー2019年11月号
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特集エルダー332019年度 高年齢者雇用開発コンテストⅡ企業の沿革・事業内容Ⅱ2009年に創業され、現在は「高齢者宿泊施設 ねぶの花」、「グループホームひねもす(認知症対応型共同生活介護、介護予防認知症対応型共同生活介護)」、「デイサービス ねぶの花(認知症対応型通所介護)」、「デイサービス ねぶの花(通所介護、介護予防通所介護)」の4業態を運営している。創業以来、地域や家庭との結びつきを重視した運営を行い、西予市をはじめ、保健医療サービスまたは福祉サービスを提供する他事業者との綿密な連携を図り、総合的なサービスの提供に努め、介護事業を通じての地域貢献を目ざしている。同社では利用者が生活しやすい環境づくりを進めるために、経験豊かな高齢職員の活躍の場を創出。高齢職員のきめ細やかな対応を若手職員が実際に見聞きして学ぶことで、技術の継承につながっている。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ介護業界においては、離職者が増えている状況にある。そこで同社では、将来を見越して早い段階から高齢職員の積極的登用を進めてきた。同社のサービスは、高齢の利用者が多く、高齢職員を介護担当に活用することで、高齢の利用者に寄り添った思いやりのある介護の提供が可能となっている。現在の平均年齢は51・7歳で、60歳以上が約34%を占めている。職員の最高年齢は78歳。2019年に定年が70歳に延長され、定年後も就業規則により希望者全員を年齢の上限なく再雇用する制度が整備されたが、7人いる70歳以上の高齢職員は、いずれも60歳を超えてから採用された人材である。働ける期間が長くなったことで、高齢職員の勤労意欲が高まり、高齢職員の健康に留意し気力を持続できるよう努力する姿は、会社全体の士気を高めることにつながった。同社の代表取締役を務める近藤千ち鳥どり社長は、「高齢職員を採用することにより、若手の職員にはなかなかできないような利用者の心に寄り添う接し方ができ、利用者の満足感を高め、居心地のよい生活を支援することが可能になる」と考えている。そこで、部門間の枠にとらわれず意見を聞く仕組みをつくり、高齢職員の意見をしっかり吸収し日々の業務に反映している。改善の内容Ⅳ(1)制度に関する改善・定年制度と継続雇用2009年の創業時は、定年60歳であったが、2017年11月に65歳に延長、さらに当機構の高年齢者雇用アドバイザーからの提案を基に、2019年4月1日に70歳に延長した。また、働きやすい職場づくりを目ざして、70歳に達した職員についても希望者においては上限を設けず継続雇用としている。定年の延長により、高齢職員は、年齢を心配せずに働くことができるようになり、経済的に株式会社元禄の「ねぶの花」

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