エルダー2019年11月号
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エルダー43ら開始する、という仕事を担当しています。製造する菓子数は日によって異なり、種類は季節によって変わります。特別注文が入る日もあるため、「間違いのないように作業することを心がけています」と大住さん。一休本舗に勤めたのは、「近所」という縁からで、「早朝出勤をする日もあるのですが、そのときは早めに帰れるように配慮していただけます。時間的に無理なく働けることがいままで続けられている理由ですね」と職場を語り、「仕事をしていると生活にリズムが生まれますので、健康のためにももう少し働いていたいと思います」と話してくれました。日々の達成感がやりがいに中なか路じ由美子さん(65歳)は、一休本舗に入社して14年、まんじゅうなどの蒸し物を担当し、蒸し器で仕上げたり、菓子の袋詰めをしたり、週4日、フルタイムで勤務しています。「菓子製造は未経験でしたが、それでも大丈夫とのことで働かせていただきました。立ち仕事で、慣れるまでは大変と思うこともありましたが、いまは仕事が時間内に終わったときの達成感がやりがいになっています。おいしいという評判を聞くことも多く、喜びも感じます」と中路さん。中路さんのお母さんが隣の市で一人暮らしをしていて、月2回ほど顔を見に行っているとのこと。「母が元気なうちは、ここで働いていたいと考えています」と話してくれました。2人とも一休本舗の和菓子が大好きで、実家へ帰るときには購入してお土産にしているとか。中路さんは「甘酒まんじゅう」、大住さんは「みたらし団子」が特に好きなのだそうです。高齢社員の活躍は会社の誇り一休本舗は、平成30年度の「高年齢者雇用開発コンテスト」で、高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰特別賞を受賞しています。髙木代表取締役はこのことについて次のように話しました。「特別賞の受賞は嬉しいですし、励みになります。高齢の社員がときどき、『こんな年齢で働いていてよいのかしら』と不安そうにたずねてくるのですが、私は『高齢の方も元気に活躍していることが、当社の自慢の一つ。そのことで賞をいただいたり、メディアからの取材を受けたりしています。当社にとって、みなさんが自慢なんです』と答えています。すると、安心した表情をされます」また、「年齢の違いにかぎらず、それぞれ異なる事情を抱えている人がともに働く時代ですので、今後もコミュニケーションを大切にしていきます」と語りました。 (取材・増山美智子)棟むね上あげ式に使用する特注の紅白餅を、真剣な面持ちで運ぶ大住久美子さん慣れた身のこなしで、店舗へ送るおはぎを運び出す中路由美子さん

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